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らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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平瀬南城 (松本市島内下田)  

◆平瀬本城の南を守る竪堀の美しい砦◆

今週初めに遊びに来た娘と孫の置き土産「インフルエンザB」に罹患し絶賛悶絶中である・・・・(笑)

健康の有難味が心に染み入る今日この頃ではある・・・(爆)

さて、今回ご案内するのは「いつでも行ける」と思いつつ今回やっとその気になった「平瀬南城」である。

平瀬南城 (68)
保存会の方の努力で最近見学者用駐車場が整備されました。ありがたい事ですw

【登り口】

ここは信濃先方衆の同僚である「ていぴす殿」が保存会に入っているので、事前に聞いておけばよさそうなものを、例の如く思い付きで攻め込んでしまったので、直登は覚悟したものの「さあて、どう登りますか・・・」(汗)

犀乗沢沿いに本城方面へ向かい登れそうな斜面を探すが結構キツそうだ。北沢と南沢の川が合流する木橋付近に何かあるぞ・・。

平瀬南城 (2)
おお、ここに看板があるではないか。素晴らしい(笑)

が、道らしきものなどない。険しい尾根先が川に落ちる斜面に辛うじて獣道らしき跡が付いているだけ。

「さて行きますか!!」いつもの事である・・・(笑)

先日、盟友ていぴす殿にお聞きしたら、南沢の砂防ダム沿いに遊歩道を設置する計画はあるが教育委員会の許可待ちとの事。いつになるか分からない様なので、「転落注意」の装備で挑む事をお勧めします。
※ちなみに小生はこの時期はスパイクピン付きゴム長が主力装備。抜群の安定感とコスパだが、防寒対策を忘れずに!

平瀬南城 (3)
比高60mほど登ると緩い下りの尾根(郭3)に到達。笹薮が酷いが歩けないほどではない。

【立地】

芥子望主山(けしぼうずやま 891.6m)の支脈が犀川に突き出る手前の尾根に築かれている。同一尾根の東側の山田集落付近には信玄本陣跡の伝説が残るという。南沢を挟んだ対岸の尾根には平瀬本城(714m)、平瀬山北の城がある。

平瀬南城縄張図
今回は「長野県の歴史を探し求めて」の管理人ていぴす殿の縄張図を借用しました。(無断転載禁止)

平瀬南城 (6)
続いて郭2.

【城跡】

尾根先に郭を三個繋げた一見何の変哲もない連郭式の砦なのだが、主郭の東サイドに横堀を加工し、背後を四重の加工度の高い堀切を穿ち、竪堀として斜面に落として最終的に南沢に収斂(しゅうれん)させている。
平瀬本城ほど複雑な処理はしていないが、同時期に加工されたものであり、斜面煮立って眺めると感動する美しさである。

平瀬南城 (10)
主郭(27×16)西側に土塁が盛られている。

【横堀】

傾斜の緩い南沢側に対する備えとして横堀を入れ更にその先を竪堀として落とすことで侵入を制限している。
砦とか支城というレベルではなく独立した一つの城としての防御機能である。

平瀬南城 (12)
主郭の東側に横堀が走る。

平瀬南城 (17)
主郭背後との接続部分(堀切①)

平瀬南城 (14)
横堀は北斜面に竪堀として落ち、途中で郭3に接続している竪堀と合流する。

平瀬南城 (15)
かなり浅くなっているが段郭ではなく横堀である。

【連続堀切と集合堀の処理】

尾根の背後に連続竪堀を数条入れ、更に長大な竪堀として斜面を走らせ最終的に集合掘とさせる技法はこの地域の山城の特徴であり、小笠原氏関連の山城で多く見られる。
平瀬南城も例外では無く、その特色を踏襲している。(もちろん平瀬本城も同じである)
この加工度の高さは戦国末期の改修であろう。

平瀬南城 (18)
尾根を断ち切る堀切②

平瀬南城 (23)
城域最大の堀切②は上巾11m。巨大な竪堀として斜面を下る光景は圧巻である。

平瀬南城 (25)
堀切②は西斜面側にある程度延長している。

平瀬南城 (28)
西側斜面を竪堀として落ちる堀切②

堀切②の先の南尾根を断ち切る堀切③・④・⑤についてはかなり埋もれているが、南沢に向けて竪堀となり集合掘りとなる光景は素晴らしいの一言である。

平瀬南城 (29)


平瀬南城 (31)
南尾根はこんな感じ。

平瀬南城 (34)
水の手方面に落ちる堀切④

平瀬南城 (45)
水の手から見上げた堀切⑤

平瀬南城 (44)
四条の竪堀は水の手付近で合流し1本の集合掘となって南沢に向かう。

平瀬南城 (47)
集合堀の拡大。

平瀬南城 (51)
写真ではそのスケールの大きさをお伝え出来ないのが残念・・・・。

平瀬南城 (50)
このような土の構築物を見て感嘆している姿を人に見られたら「関わらない方がいいよ・・」とか言われそう・・・(笑)

平瀬南城 (53)
集合掘の北側にも一条竪堀を穿って斜面からの侵入を防いでいる。

さて、如何でしたでしょうか?

解説能力の無さを写真で補おうという姑息な手段はいつもの事なのでご勘弁くだされ・・・(笑)

平瀬南城は平瀬本城の支城という位置づけですが、かなり加工度は高く、少数の精鋭が立て籠もれば数日間は敵を引きつけておけるだけの戦闘力があるように思えました。
平瀬城(北城・本城・南城)ですが、武田の改修というよりは、小笠原貞慶が安曇野・小谷方面への軍事拠点として新たに築城したのではないか?という説もあります。色々と想像力を膨らませるのは楽しいですよネ。

平瀬南城 (32)
主郭からみた奈良井川と梓川の合流地点。武田が攻略した平瀬城はあの場所になる平瀬氏居館だというのが最近の定説だとか。

≪平瀬南城≫ (ひらせみなみじょう 平瀬南支城)

標高:677mm 比高:107m (犀川より)
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:松本市島内下平瀬
攻城日:2018年1月7日
お勧め度:★★★★☆
城跡までの所要時間:片道15分 駐車場:有り
見どころ:堀切、長大な竪堀、集合堀、水の手
注意事項:登り口は急なので手袋、滑りにくい靴は必須
参考文献:「信濃の山城と館④松本・塩尻・筑摩編 宮坂武男著」
付近の城址:平瀬本城、平瀬北の山城、平瀬氏居館跡、光城、田沢城など

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Posted on 2018/01/13 Sat. 19:32 [edit]

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コメント

私はインフル流行のおかげで仕事(イナビル吸入の役割)が忙しく悶絶しています。
またこちらは大雪に見舞われ、城など思いもよらない状況ですが、安曇野は城行けるんですね。信濃の陽光がジムニー号を指す輝きは神々しくさえあります。今年もよろしくお願いします。まずはインフル、お大事にして下さい。ブログ書けるくらいですから快方のようですね。

えいき #- | URL | 2018/01/14 07:28 * edit *

Re: えいき様へ

お見舞いのお言葉ありがとうございますw

インフルエンザとは無縁の生活が続いていたので、今回イナビルなるものの処方では近所の薬剤師の方のお世話になりました。
一人一人にあの対応は大変だなあーと思いましたが、貴殿も縦横無尽のご活躍をされておるとの事、頭が下がります。

今年の北陸地方は大変な大雪のようですね。信州上田は盆地気候で寒さはあれども雪は少ないので助かっております。
本年も引き続きよろしくお願い致します。
今年こそは下伊那方面を何とかせにゃ・・・と思いつつスタートダッシュに失敗しております(笑)


らんまる #- | URL | 2018/01/14 09:43 * edit *

らんまるさんへ

平瀬城といっても本城やら北城やら今回の南城と、別れているんですね。
全然知りませんでした(笑)。

前回、安曇野マラソンですぐ麓を通りましたのでいつかいけるといいなと思います。今回は5月27日にに富山で黒部名水マラソン(フルマラソン!)があるので6月3日の安曇野は断念しました。

写真でも充分、そのスケールは伝わってきてますよ、スゴイですね。
それと支流が合流して大河に注ぎ込むような集合竪堀(、っていうんですか?)が素晴らしい!芸術的だな~と惚れ惚れしますね。

写真撮影、お上手ですね!見習いたいです・・。

久太郎より

久太郎です。Qです。 #- | URL | 2018/01/15 23:29 * edit *

Re: 久太郎様へ

平瀬本城のレポートも中途半端で終わらせておいて南城を掲載するのはどうなのか?と思いましたが、正月早々良いものを見たなあーと感激し載せてしまいました。思えばこのとき既に感染していたようですが・・(笑)

集合掘の代表的な城は明科町(現在の安曇野市)の塔ノ原城ですね。明科町時代は手入れが行き届いていたのですが、合併して安曇野市となったら放置状態。平成大合併の悪しき事例です。あとは伊深城も竪堀と集合掘の組合せが美しい。
平瀬本城の規模のデカさと縄張の特異さは小笠原貞慶時代の集大成でしょうか。
お時間がありましたら是非お訪ねください。

写真はいつも間が抜けていてどうしたら全体像をお伝え出来るか思案している割にはヘタクソです(汗)
お褒め戴きビミョーです(笑)

お見舞いのお言葉ありがとうございます。
本日よりようやく社会復帰ですw

らんまる #- | URL | 2018/01/16 07:51 * edit *
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