らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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安坂城(筑北村)  

◆古代の古墳群を破壊して作られた石積みの見事な戦国の山城◆

麻績古城(おみふるじょう または虚空蔵山城)の遺構には感動したのだが、同時期に存在した安坂城(あさかじょう)の縄張と築城技術は麻績古城を上回るものであり、WEBで紹介すらされていないとは驚きである。

長野市松代周辺の砦城塞群にも古墳を利用したものが多いが、安坂城は古墳を破壊して石材を再利用した特異体質の面白い城跡で、中世城郭マニアには是非見学して頂きたい貴重な遺構でもある。

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麻績村から旧坂井村(現在の筑北村)を修那羅峠に向かう途中の安坂神社が城跡への大手道となる。

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社殿の奥に標柱があり、登山道があるのだが途中ではっきりしなくなる。尾根伝いに目指せば問題は無い。

石切場と間違えそうな露出する岩があるが、小学生時代に古墳ヲタクだった小生には埋もれた墳墓の匂いが感じられたのである。(いったい、どんな変人小学生の時代だったのでしょうか・・・・笑)

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尾根に数ヶ所存在する石積みの跡。この下にはきっと古墳があるのだ。

考古学者ではないので断定出来ないが、この地方にはかなり有力な豪族が存在し頂上へ向けて円墳を重ねて造成したのかもしれない。

トウシロである小生だって分かるのに、これだけの古墳群でありながら、安坂城のみ史跡とした坂北村の教育委員会の調査には疑問符だ(笑)

城域に入り最初に目にする鳥居とコの字の曲輪は奇妙な感じを受ける。

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武者溜まりとも云うべき砦である。古墳を崩したのであろう。

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中央には大黒天様を祀る。

城に近づく敵を迎撃する重要な拠点である。

さらに尾根を60m登ると、荷駄を上げるための馬道を備えた細い曲輪に出る。

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ここからは、「古代の死者の墳墓」を破壊して「中世の山城を築く」という痕跡があちこちに見受けられる。
(まあ、当時はそのような感覚などあろうはずもなかったのだろうが・・・)

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三の曲輪手前には、古墳の石室に通じる穴が試掘された跡がある。

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堀切のように見えるが、古墳を覆う土と石材を剥がして段差をつけたものだろう。

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三の郭の手前の郭の壁面。石積みにしたのでは無く、石積みの古墳を郭にしたのだ・・・。

ツタンカーメンに類似した呪いは無かったのだろうか…(汗)

この麻績・筑北地方が一面焼け野原になったのは、この城の築城に関わる呪いではないのだろうか??

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三の郭の壁面も古墳跡であろう。

考え方を変えれば「エコ」かもしれない(笑)

石積み再生利用法という「掟」が施行された可能性も否定出来ない・・・(爆)

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二の郭と三の郭の間の西斜面には竪掘りが見られる。

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三の郭から見る二の郭。

でもネ、この城凄い。以前に紹介した麻績古城より凝ってる。

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本郭を観察すると、なにやら不思議な大きな窪地がある・・・・。

武者隠しと思ったのだが、とうとう古墳の石室の天井石板を掘り起こして防禦施設にしちゃったんだ(汗)

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現在であれば、文化財保護法違反である(爆)

筑北村の眠れるツタンカーメン王も激怒したに違いない・・・(笑)

冗談はさておき、この本郭の南尾根には、中信濃の山城の特徴である見事な四連続堀切がある。

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堀底から本郭まで高さ14m、上巾6mの大堀切。

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堀切から本郭を見上げる。石積みが周回しているのが確認出来る。

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三本目の堀切。

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最終の堀切。

堀切も凄いのだが、この城は本郭と二の郭の東側にある四の腰廓からみる石積みにこそ、その真価を発揮する。

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恐らく麻績古城と同一人物の改修だろうと思える重厚な作りである。

「信府統記」によれば「安坂山古城地 安坂村より末ノ方十一町二十間、本城ノ平東西十一間一尺、南北八間二尺、城主安藤筑後守ト云フ者居住セリ、天正年間中落居セリ」とあるようだ。

安藤氏の詳細は不明で、青柳氏の家臣だったのだろうか。

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そのうち上手くなるかもしれない「らんまる画伯」の鳥瞰図(笑)

風雲急を告げる戦国時代の筑北地方にあって急造された山城だと思われるが、古墳破壊の是非はともかくとして完成度の高い城であり、必見の価値はある。

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北側より見る安坂城全景。


≪安坂城≫ (あさかじょう 城山) 

標高:856.0m 比高215.0m(安坂神社より)
築城年代:不明
築城・居住者:安藤氏?
場所:東筑摩郡筑北村安坂
攻城日:2011年12月18日 
見どころ:石積み、大堀切跡、古墳を利用した曲輪など
お勧め度:★★★★★(満点)
城跡までの所要時間:30分
注意:これ以上石積みが崩れないよう注意して探索の事
参考文献:「図解山城探訪 第五集 松塩筑史料編 宮坂武男著」























Posted on 2011/12/21 Wed. 20:37 [edit]

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