らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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八王子山砦(千曲市 推定)  

◆羽尾、八幡へ通じる古峠の見張り砦◆

長野県の中世遺構分布図には記載が無い。

小生のブログのゲストコメンテーターである丸馬出様より情報を頂戴しての調査である。

まあ、確かにこの小高い山に何かありそうだ・・・と思わせるに充分な面構えではある(笑)

八王子山砦① (2)

冠着山(1252m)の支脈である正城山(証城のある場所)からは尾根が四本派生し、そのうち二本が東側の千曲川へ繋がる。荒砥城のある尾根とその北側の八王子山と呼ばれる場所に繋がる尾根がそれである。

長野縣町村誌によれば、この山は大日向山である。八王子山という名称は字ではなく佐良志奈神社のご神体の一つを祀る八王子社の場所から付けられた名称であろう。

神社仏閣の知識はとんちんかんなのであるが、取引先の方が全国の神社の由緒について造詣が深いとお聞きし、小生のブログも時折見て頂いているようなので、八王子山の登り口にある佐良志奈神社の説明板を掲載しておこう(笑)

八王子山砦 (41)

八王子山砦 (40)
祭神四体が現存する神社は珍しいというが、良く分からない(汗)


専門外の神社はさておき、神社脇の林道を登る。

軽自動車の四輪駆動であれば、八王子山の背後の尾根まで登る事が出来るらしいが森林浴だと思えば30分くらい歩くのが良いでしょう(笑)

八王子山砦 (11)
春先はカタクリの群生地なのだが、シーズンオフで残念ながらその可憐な姿は見れなかった。


黙々と林道を20分も歩くと終点となる。そこを戻るように北側のなだらかな尾根を登る。


八王子山砦 (34)
ここから尾根伝いに登ると証城経由で冠着山へ行けるらしい。表示は3時間30分(!!)とある。

名前を勝手に「八王子山砦」としたが、縄張図を起こすと以下のようになる。

八王子山砦縄張図②

尾根を登り平坦な場所につくと、中央部分を土塁で迫り上げたような地形が続く。これを郭と見るべきかは疑問に思い、縄張図には土塁のみ記載した。

八王子山砦 (14)

その先に進むと、明らかに遺構がある。

堀切と断定して良いものか判断に迷うが、その先には切岸を施した郭跡が確認出来るのだ。

八王子山砦 (19)
15×11の郭4。

八王子山砦 (20)
明らかに人工的な段差で切岸であろう。


荒砥城の城下であった入山、若宮から隣村である羽尾・須坂・八幡へ移動するには八王子山の北尾根を越える古峠が古道であったらしい。(千曲川沿いの河川敷きは通行不能であったのだろう)

ここに砦があって、通行者を監視することは当然だったと思われる。

八王子山砦 (23)
八王子山(510m)の頂上にある本郭跡(6×5)


八王子山砦 (26)
本郭の先にある郭2(6×5)

そして、ここの尾根伝いに証城へ行ける事を考慮すると、証城の防衛にも押さえておかなければならない場所であることには違いない。

八王子山砦 (27)
尾根先に向けた最終の郭3(30×16)

八王子山砦 (28)
中間には南の沢へ向けた堀切が一条確認出来る。

ここからは千曲川の対岸の戸倉や柏王はもちろん、北隣の羽尾・須坂・八幡の動向が監視出来る。

八王子山砦 (29)
戸倉・柏王方面。


八王子山砦 (32)
八幡・塩崎城方面。

緊急時には峠を制圧する伏兵を置くだけの簡単な物見砦なので、凝った防御構造も見られないが何かしらかの施設があったと思われる。

「後究を待つ」とは良く云ったものだが、これだけの遺構があれば千曲市の教育委員会も是非調査して欲しいものである。

八王子山砦① (4)
八王子山砦遠景。


≪八王子山砦≫ (はちおうじやまとりで)

標高:510m 比高:110m(大正橋より)
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:千曲市上山田若宮
攻城日:2012年5月26日 
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:30分(佐良志奈神社より)
見どころ:堀切、土塁
その他:ここから証城を目指すのもあり。登山道は明確だという。しかし2時間はかかるであろう。
参考文献:無し。




Posted on 2012/05/29 Tue. 21:15 [edit]

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