らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0716

佐野城(千曲市 桑原)  

◆猿ヶ馬場峠の間道を抑えた三方急峻の要害◆

実は秋に攻めるべぇ~と思ったのだが、竜王城を落とした以上は行きがかり上攻めねばなるまい。

それにクーさんの看板を見てしまったし‥‥(笑)

まあ、これで更埴地方の山城はほぼ制圧したことになりそうです。そういう口実で撤収しましょうネ(爆)

佐野城 (56)
豪快に流れ落ちる不動滝。


マイナスイオンたっぷりでございます。

えっ、違うの?これ土石流防止用人工ダムなの?? 失礼しました‥‥(汗)


佐野城 (7)
ホンモノはこちら。


「不動滝」は佐野城の南裾を流れる「滝の沢」の岩場に懸る高さ14mの滝である。

その昔、西行法師や松尾芭蕉、近年では正岡子規・佐久間象山も猿ヶ馬場峠越えの際に立ち寄ったようです。

佐野城 (11)
不動滝の脇にある登城口。近年遊歩道として整備されたが往時は存在しなかったと思われる。


佐野城は千曲市桑原にある佐野集落から約500m西方の高雄山から東方に派生する尾根上にある山城で、中世には佐野山城と呼ばれていた。

城の先端は佐野川に面して、城域の南は滝の沢から不動滝へ落ちる絶壁であり、東側面は佐野川が刻む天然の断崖に守られて北の尾根は「剣の刃渡り」と呼ばれる痩せ尾根。三方を川で守られた要害の地にある。

佐野城縄張図②


頂き部分を平削して郭を置き、南東に張り出した尾根に段郭を階段状に配置する古式ゆかしき縄張りである。

申し訳程度に堀切も存在するが、防御としては緩く頼りないのである。


佐野城 (23)
佐野薬師からの道が大手であり、城の中腹にある現在の分岐点もかなり広い郭だったようだ。


佐野城 (35)
不整形の郭1(30×15)。この城域で最も面積がある。


やはり、ここでも小坂城と同じように不思議な縄張図を目にする。
デフォルメは感覚として許せるが、実測値としては信用出来ない・・・・(笑)


佐野城 (36)

「とにかく桑原氏である・・・・」その文言に地元愛というか執念が感じられる(汗)


佐野城 (42)
堀切㋑。巾も深さも中途半端で防御も危うい。


佐野城 (44)
通称「剣の刃渡り」と呼ばれる痩せ尾根。搦め手方面の防御は何も無い。不要だったのか?


古文書には佐野城が多く記載されているようであるが、山城初期の様式に若干手を加えただけと見受ける。

自然の地形を利用した竪掘のようなものも数本あるが、人工的な作業が加えられた跡は無い。

また、小生の縄張図における「郭3」は地元の古老によれば「旗塚」と呼ばれているようで、猿ヶ馬場峠からの間道にあたる聖峠、三和峠経由のこのルートには確かに擬兵効果があったかもしれない。


佐野城 (49)
郭3(20×10)。旗塚と呼ばれている自然の郭。


「日本城郭体系長野・山梨編」の監修をした湯本軍一氏も「素朴な城」と評している。全く同感である。


雑木林に覆われた風景すら望めない佐野城で、唯一小さな発見をした。

郭1と郭3を仕切る堀切㋐である。

佐野城 (53)

直感的に屋代城が城割の為に埋められた主郭と二の郭の堀切と同じだったのではないか?と思った。

まあ何の根拠も無いが・・・・(笑)


天正十二年(1584)四月、海津副城将であった屋代秀政は徳川家康に内通し荒砥城に籠城する。それに加担した塩崎六郎二郎は荒砥城の支城であった佐野城に籠ったという。

秀政討伐の景勝軍が荒砥城を攻めると屋代秀政は佐野城へ逃げて塩崎氏と合流するが、追撃する景勝軍の猛攻で数日この城で抵抗しただけで城を捨てて塩崎氏とともに麻績方面へ奔った。

「逆徒居城荒砥・佐野山両地不経五三日自落無行方為躾候」(歴代古案 直江兼続書城)

四月二十七日、逃げる屋代・塩崎を追撃した上杉軍は猿ヶ馬場峠を越えて両氏を匿っていた麻績城を攻略。

桑原宿 (6)
佐野稲荷方面から見る佐野城。


押し寄せる景勝軍に対しては一日と持たない佐野城を放棄したのは賢明な判断だったと思われる。

城跡に立つと、佐野川の川の流れる音と不動滝の落水する音が響き、戦乱の無常を語り継いでいるようだ。


≪佐野城≫ (さのじょう 佐野山城)

標高:683m  比高:133m(林道不動滝入口より)
築城年代:不明
築城・居住者:桑原氏、内田氏、屋代氏
場所:千曲市桑原佐野
攻城日:2012年7月15日
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:20分
見どころ:不動滝、腰郭群、堀切など
その他:近くに竜王城、小坂城など
参考文献:「長野郷土史研究会機関誌 長野 第97号」「屋代城跡範囲確認調査報告書」

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Posted on 2012/07/16 Mon. 11:15 [edit]

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