らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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湯原城 (佐久市湯原)  

◆遺構が良く残る在地土豪の要害城◆

東日本大震災から2年が経過した。決して風化させてはいけない日であることを心に刻み、日本人として微力ながら出来る事は精いっぱい協力していこうと思う。

さて、昨日3月10日は猫の目のように変わる天候に翻弄され、本日六ヶ所攻め落とすつもりが二ヶ所で撤退を余儀なくされた・・(怒)

朝方18℃もあった外気温がどんどん下がり続けてお昼頃には4℃。なんとその差14℃かい!!(ギョ!)

ホントは北信濃へ遠征したかったが、気分転換に久々の佐久臼田へ。で、二ヶ所だけとは悲劇でございます(笑)

仕入れ先出しで今回ご紹介するのは佐久市の湯原城。(旧臼田町湯原)

こんな「ど田舎」の城がWEB上では意外にメジャー級の扱いなんで驚きましたが・・・(汗)

湯原城 (1)トンネル北側からの景色。トンネル上部から右の丘が城域となる。

登り口は湯原隊道(トンネル)の南側入り口らしいが、トンネルを抜けた北側から攻めるのが分かり易いと思う。

里山整備事業の間伐作業が実施されているらしく、城域も半分くらいはスッキリしているようだ。

湯原城 (3)増設された北側の作業道から見た北西尾根の処理。

湯原城見取図①

縄張図を見てお分かり頂けるかと思うのだが、在地土豪の砦としてはコンパクトながら、しっかり尾根の処理を施した見どころのある縄張りで、一部埋もれつつあるものの保存状態も良く秀逸の砦だと思う。

湯原城 (7)堀切㋓の南西方面の処理。


大手道は不明瞭だが、湯原集落へ突き出た南側の郭3に続く道があったと推定される。

峰続きとなる北西と北東の尾根の処理が問題になるのだが、北西は堀切㋓に迎撃用の高土塁を組み合わせた郭4を置くことにより厳しい防御が可能となっている。

湯原城 (11)郭4の堀切側の高土塁。

北東の尾根は三重の堀切が設置出来るスペースがあるが、北西は敷地が狭いので郭に高土塁を設ける事で郭4を堀切の代用としたと見れるだろう。

湯原城 (17)本郭の土塁から見下ろした郭4。なるほど堀切に見える。

主郭(郭1)は周囲を土塁で囲まれている。

信州の山城でも主郭周囲をキチンと土塁が囲っている状態で残っているケースは稀であろう。

湯原城 (18)

【城主・城歴】

湯原城は更埴埴生打沢(こうしょくはにゅううっさわ)を本拠とする湯原氏の分家がこの地に禄を得て築城したという。

その後、佐久南部から進出してきた相木系依田氏が攻略して湯原城主になり、武田氏の侵略時にはその軍門に降り引き続き領有を認められたという。

天正年間には依田氏に代わり上野(植野)佐渡守が在城したというが、真相は定かでない。

湯原城 (24)方形の郭2.

この城がユニークなのは、堀切の真ん中に武者溜まりというべき削平地があることだろうか。

通常なら土橋か堀底を二重にする土塁を置くのだが、平場を作っている・・(汗)

湯原城 (26)見取図で㋑の場所。

見取図で示した㋐も郭では無く、堀底を武者溜まりとして整地したものらしい。

二重堀切の進化系であろうか??

湯原城 (30)

湯原城 (31)武者溜まりの要素が強い㋐

さて、郭3は、湯原集落に突き出す形の重要な郭であり、周囲を段郭が覆っていたようだが現在では笹藪に覆われてしまい全容を見ることは極めて困難な状態である。

湯原城 (33)郭3。中心部への突入は無理で外周のみ確認するにとどまる。

湯原城 (36)この先に竪掘があるというが、これ以上は進めない(汗)

湯原集落に突き出た郭3周辺の調査は断念した。

笹藪を火攻めにでもしない限り全容を解明するには無理があると思う。

北東尾根はかなり埋もれているが、ある程度の遺構は確認出来た。

湯原城 (58)

湯原城 (52)

湯原城 (55)北東の尾根の処理。

地元の小土豪の要害城としては真面目に造られ、かつ要所に工夫を凝らした秀作である。

ここから雁峰城(小田切城)と向城は指呼の間であり、関連していたのであろう。

医王城と上の城、勝間反砦も展望に入るので、武田統治時代にも何らかの役割があったと見るべきか?

湯原城 (73)

派手さは無いが後世に伝える縄張りであり、山城好きの皆さんには比高も低いので勉強には最適のお勧め五つ★であろうか・・・(笑)

湯原城 (78)湯原集落から見た湯原城(郭3)


≪湯原城≫ (ゆはらじょう)

標高:794m 比高57m 
築城年代:不明
築城・居住者:湯原氏 依田氏
場所:佐久市湯原
攻城日:2013年3月10日 
お勧め度:★★★☆☆
城跡までの所要時間5分 駐車場:路駐。
見どころ:堀切、郭など。付近には医王寺城、雁峰城、向城、上の城、上小田切城など
参考文献:「信州の山城と館① 佐久編 宮坂武男著」

湯原城 (75)北側から見た全景。





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Posted on 2013/03/11 Mon. 06:00 [edit]

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