らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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石川城 (長野市篠ノ井石川)  

◆犀川右岸台地から川中島への出口を見張る高台に築かれた居館城◆

以前に下調べをしたままで放置していたが、ようやく掲載する事になった。

しかし、篠の城と同じように城址は広大な竹林の密集地帯で細部の踏査など不可能に近かった(汗)

何が出てくるか分からない竹林に対する恐怖と戦慄でロクな調査もしていないのだが、WEBでは誰もこの城跡について詳しく記載していないので、お役にたてれば幸いである(笑)

石川城見取図①

場所は篠ノ井線の稲荷山駅の北1.6kmで、長野市篠ノ井石川地籍。県道70号線が信更町へ入る手前で、聖川によって北側を浸食された崖淵台地の上にある。
大岡や信州新町から川中島へ通じる街道の出口に当たり南の鳥坂峠も抑える要衝の地である。

旧県道70号線が上石川集落を抜ける途中に城への登り口がある。

石川城 (1)登り坂の途中に標柱がある。右へ曲がれば城址へ、左へすすめば江戸の旧街道だという。

かつては耕作地だったらしく、農道が城跡まで通じている。登り坂の途中に民家もあるが現在は無人のようだ。

この標柱を左に折れると、堀切の堀底を通り急坂(標柱にはあぶみ坂の表示)を越え信更町へ通じる古道があったらしい。

石川城 (3)あぶみとは馬具の鐙の事であろう。

【城主・城歴】

長野縣町村誌の石川村には「古城址」として以下の記載がある。

「村の西の方字城にある。東西二十間、南北二十二間、東西につながりて統りて一段低き平地あり、二の曲輪なりと言ふ。今は民有に属して耕地となる。面して石塁、残存頽敗して荊棘の間に存せり。其の西南に一條の空堀を回らし、東南を眼下に斂む。回字形を爲す。
維新の際山中往来の新道を開くに際し其遺を潰す。(中略)里俗の傳説に天文年間村上左衛門尉義清の配下石川大和守此の城塁に拠る。天文二十二年義清武田晴信の為に敗られ、越後に走る。大和守孤城護り難きを察し、武田氏に降りしと云う。或る日開城して其行跡を隠匿せしむといへり。誰が是なるを知らず、暫く記して他日の参考に供す」

石川城古城図
古城図。※長野縣町村誌北信編石川村(郷土出版社)より転載。

付近に大塔合戦の時に守護が逃げ込み籠城したという「二ツ柳神社」や「湯ノ入神社砦」があり、また周辺は多数の古墳群もあるので、古くから集落が形成され栄えた地域だったのだろう。

石川城 (2)「山上あぶみ城址」は石川城の別名らしい。

鉄製の標柱も劣化が激しく、訪れる人も絶えて久しいと思われる。

そんな場所を目指す小生は何年ぶりの珍客だろうか・・・。

石川城 (4)城域の東側。農道の上段に石積が続く。

郭の塁線には石積みが用いられているが、果たして往時のものか耕作による改変なのかは判断が難しい。

この場所も「篠ノ井石川城古墳」と命名されているので、古墳の石積みを転用したことは考えられる。

石川城 (5)郭1の南側の石積み。

さて、農道の終点辺りが郭2で、かなりデカイのだが、竹林で大半が覆われてしまいその広さが認識出来ない(汗)本郭も古墳跡が残るようだが、不気味な密林に潜り込む勇気などあるわきゃ無い(笑)

石川城 (7)竹林に埋もれた郭1。

石川城 (10)周囲を竹に閉ざされた郭2の空間。竹の撓る独特な音は怖い・・(汗)

そうは言っても見れる場所はガンバって必死こいて見ましたよ。

石川城 (13)堀切手前の西端にある郭。(宮坂氏の縄張図では郭3)

石川城 (14)石川城唯一の堀切。

石川城 (15)南に落ちる堀切。西側はかなり埋まりつつある。

比高はそれほどでもないのだが、東へ張り出した台地の北側と東側は聖川により作られた天然の断崖で近寄れない。西側の尾根と南側への防御を敷けば良いのでまさに天然の要害である。

そしてここから望む千曲川方面の展望は素晴らしい。

石川城 (18)城址から見た千曲川の篠ノ井橋方面。

武田軍の兵站輸送が、深志から大岡口、牧ノ島を経由したコースに変更になった時点から、川中島への出口である篠ノ井周辺の砦群は強化され、石川城も兵舎を備えた監視砦として機能したことは容易に想像が出来る。

甲越戦争の前線は国境方面に北上するとともにその役目を終えたのだろうか。

それにしても竹林は何が出て来るか分からず恐ろしいので、ますます苦手になってしまった・・・(爆)

石川城 (21)上石川集落から見た石川城。


≪石川城≫ (いしかわじょう 古城 山上あぶみ城)

標高:430m 比高45m 
築城時期:不明
築城・居住者:不明
場所:長野市篠ノ井石川
攻城日:2013年2月2日 
お勧め度:★★☆☆☆ 
城跡までの所要時間:10分
見どころ:堀切、石積み
付近の城跡:湯の入神社砦 二ツ柳神社砦、和田城(信更町)など
注意事項:駐車場がないので路駐。邪魔にならないように。
参考文献:「信濃の山城と館➋更埴・長野編 宮坂武男著」「長野縣町村誌 北信編」


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Posted on 2013/06/30 Sun. 16:48 [edit]

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