らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0807

殿城山城 (上田市殿城)  

◆巨大な反射板の置かれた過去と未来の烽火台跡◆

更新が途絶えて久しい地元の「上田小県編」だが、いつかは攻めねばと思っていた山城をようやく落とした(汗)

WEB上では城址としての記述は初公開になる。登山家や里山トレッキングの方でも城址として認識されている方もあったが、餅は餅屋がつかなければ美味くないでしょう(笑)

殿城山城 (1)上田市 市民の森からのルートマップ。こんなテキトーな地図では日本人だって遭難必死である・・(汗)

軽トラックか軽自動車のオフロード車なら、岩清水集落から赤坂林道を登れば30分の体力と時間を短縮出来るようだが、体力作りも兼ねていたので片道1時間30分に荒行と称して挑む。

鹿の飼育小屋を過ぎて左に折れて森の中を30分黙々と歩く。

殿城山城 (43)全く可愛げのカケラも無い鹿野郎どもに見送られて殿城山を目指す。

殿城山城 (5)途中で林道と合流するのだが、道標が少ないせいか、本当にこの道で良いのか不安になる・・・(汗)

殿城山城 (7)クーさん注意の看板が殿城山(でんじょうさん)の登り口。ここまで急いで30分程度。


【殿城山址】 (小県郡史より)

殿城山址は殿城村殿城區小字殿城の山頂にあり。郭は東西三十五間、南北四間に亘り、中央に一段あり。地勢高峻にして、よく海野、上田の二平野を瞰視(かんし)しうべし。里傳に天文十九年二月武田晴信、戸石城襲撃の際、其本陣を占めし所なりといふ。本陣を占むるのこと如何あらん、されど戸石攻作戦を観るには一要地たるべし。

林道から比高170mを登る事など「朝飯前」と思っていたが、やはり夏の山城攻城戦は体力の消耗が激しい。

吹き出る汗の量にミイラ化してしまいそうな戦慄を感じながら格闘する事30分でようやく巨大反射板の立つ山頂へ。

殿城山城 (10)
1194.3mの山頂の三角点と巨大反射板。


烏帽子岳(2,066m)の西の支脈上にあり、上田市の何処にいても目立つ三角錐の山である。

山頂の反射板の異様なデカさが更にその存在を際立たせている。

小牧城2 114小牧城上の城から見た殿城山城と周辺の諸城の位置関係。※四阿山と根子岳が逆になってました・・・失礼しました。

天文十九年(1550)9月の砥石城攻防戦(戸石崩れ)の時の信玄の本陣が、この殿城山にあったという伝承を小県郡史は記述している一方で、「如何あらん」と疑問を呈している。

確かに砥石城周辺の地形や相手方の陣地を見るには極めて優れた場所にあるが、ここに本陣を置き伝令を走らせて合戦を行うにはかなり無理がある。

こんな場所に本陣を置いて砥石城攻めを指揮したので、撤収の伝令に時間がかかり負けたのだという説も成り立つかもしれないが・・・(笑)

殿城山城見取図①陣城というよりは烽火台の縄張り。

まあ、それにしても城址の頂上付近は腰の高さに近い藪が生い茂り、予想を上回る惨状に閉口する。

おまけに辺り一面ガスが立ち込めてしまい、そのロケーションすら見えない状態・・・・・・・(汗)

それでも周囲をストックで藪を薙ぎ払い、何とか踏査してみた。

殿城山城 (14)強引に落書きするとこんな感じの主郭と虎口。


藪だらけの城址を写真に撮っても空しいばかりである。

そういえば、こんな歌を想い出した。

♪♪おお、牧場(山城)は緑~、藪の海、トゲが刺さる、おお、牧場は緑、良く茂ったものだ、ホイ♪♪(笑)

背後の二重堀切もしっかり残っているのだが、藪を火炎放射器で焼き払いたい衝動に駆られる。

殿城山城 (20)南に落ちる堀切㋐。

殿城山城 (24)南の林道から見上げた堀切㋑。

もっと脆弱で粗末な堀切だと思っていたので、良い意味での裏切りである。こういうのは大歓迎である。

殿城山城 (26)西側の削平地。地山のままのようだが、藪が酷過ぎて調査不能。

独立峯だし烽火台としては文句ない場所にもあるので、戦国時代末期まで使われたと思われる。

縄張りから見ても詰め城や逃げ込み城のたぐいではないだろう。

武田時代に真田庄に復帰した真田幸隆が、武田の「飛脚かがり」として整備したように思える。(定本佐久の城では伊勢崎虚空蔵山としているが、低すぎるように思う)

殿城山城 (38)晴れていれば、雄大な景色が見えたはずだが、ガスが巻いてしまい何も見えなかった。

松代の海津城に「ノロシ山(844m)」があったように、戸石城そしてのちの上田城の通信基地として「殿城山」があったと考えるべきであろうか。

殿城山城 (11)巨大な反射板の周囲も郭の跡が見られるようだが、身の丈もある恐ろしいトゲ状の植物が行く手を阻み今回は撤収した・・(汗)


≪殿城山城≫ (でんじょうさんじょう)

標高:1193.4mm 比高:293m (市民の森公園より)
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:上田市殿城(トノシロ)
攻城日:2013年8月4日 
お勧め度:★★☆☆☆ (眺望がよければ★3つ)
城跡までの所要時間:片道1時間 駐車場:市民の森公園駐車場
見どころ:堀切、土塁、眺望
注意事項:クーさん注意の看板あり。
参考文献:「信濃の山城と館③上田小県編 宮坂武男著」「小県郡史」
付近の城址:矢沢城、矢沢古城など

殿城山城 (46)上田市野竹の神川付近より見た殿城山城。






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Posted on 2013/08/07 Wed. 22:28 [edit]

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