らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0509

山口城①・小城編 (飯山市旭)  

◆戦闘モード全開の熱き砦◆

ツイッターがご縁となり、先月はヤブレンジャーのウモ様ご夫妻、そして五郎様をアテンドして信濃の城をご案内しました。
あおれんじゃあ様や余湖様とは既に何度かご一緒させていただきましたので、念願だった山城全国区の先駆者の方々にお目通りが叶いました。

「信濃」という井の中の限定の蛙(かわず)を認知して頂けるとは、ありがたい事でございますw

これからも引き続き「信濃のガラパゴス」となるべく努力する所存でございます・・(笑)

んで、今回ご案内するのは、昨年の晩秋に「あおれんじゃあ」さんと訪問した山口城。まずは小城。

山口城 (2)
国道292号線の飯山街道沿いの東側になる旭地区の山口神社が目印になります。

立地や城主・城歴は次回以降に掲載予定の記事にお任せするとして、今回は城跡のみのレポートに徹します・・

山口小城見取図①
本城が築城される前の臨時の砦だったようだが、気合の入れ方がハンパ無い・・・(汗)

実はこの城の100m南に「御屋敷」という遺構があり、居館が置かれていたという。(※御屋敷の紹介は次回以降の予定)その詰め城として最初に小城が臨時で築かれ、その後に山口城の本城が築城されたという。
北信濃の名族である岩井氏の築城とされる。(岩井氏は甲越紛争の際には上杉方の重臣として飯山城将を勤めた)

山口城の小城 (1)
搦め手の堀切㋐。尾根を遮断しているが後年の耕作により改変されたようだ。

●厳重な防御を誇る二重堀切

この小城の最大の見どころは北尾根を遮断する長大な二重堀切(㋑・㋒)で、斜面を長大な竪掘りとして下ると共に堀の壁面を抉る事で敵の登坂を不可能にしていることであろう。
これが約500年前の工事とは思えない凄技なのである。

山口城の小城 (8)
堀切㋑(南側の堀底より撮影)

山口城の小城 (9)
堀切㋑。上巾は10mとさほどでもないが、切岸の処理は見事である。

同行した「あおれんじゃあさん」と溜め息の連続である・・・

「こんな小城に、ここまで防御を厳重に施すのか・・・・」 そして追い打ちを掛けるように上巾12mの堀切㋒である。

山口城の小城 (20)
写真に補助線を入れなくても堀切が確認出来る事は、かなり立派な堀切が残っているという証でもある・・。

山口城の小城 (22)
東側に竪の堀切として落ちる㋒。これだけを見学しても飯山まで見に来る価値はあるだろう。

●主郭背後の郭3の重要性

山口城の小城 (26)
かなり特殊な構造をしている郭3。

この城の二つ目の見どころは、主郭に隣接する郭3の恐ろしい程の高低差であろうか。落差6mの切岸というのは大堀切を施した処理に近い。

山口城の小城 (28)
西側から見た連結部分の切岸。

山口城の小城 (29)
500年後の現在に至っても登れない切岸というのものうはお目にかかれない程垂直に近いのだ。

山口城の小城 (32)
郭3から派生するように東斜面に落ちる竪掘㋓。

●主郭とその周辺

主郭は丁寧に削平されて北・西・南にかけて土塁が残存している。郭3は削平されているものの切岸によって隔離され、堀切郭と7呼ぶべき変則性を有している。
かなり特異な城の作りで、まさに「戦うべき城」である。

山口城の小城 (40)
祠の残る主郭。削平が丁寧にされている。

山口城の小城 (42)
主郭の南側に残る土塁。

山口城の小城 (50)
主郭より郭2を見下ろす。ほぼ垂直に近い切岸に驚く。

山口城の小城 (53)
南西方面に見える山口本城。距離にして約500mぐらいだろうか。

余談ではあるが、「山城ヲタク」といっても色々な系譜があるので、鉄ヲタ同様に好みが分かれる。

縄張りフェチ、土塁フェチ、堀切フェチ、畝堀フェチ、石積みフェチ、横矢フェチ・・・どのくらい派生しているのか研究するのも面白いだろう(笑)

あおれんじゃあさんは出身が長野市ということもあり、信濃の城に造詣が深いし、何よりも同郷のよしみと云う事で年齢も近いので、何かと話が合う。同じ趣味と云うだけで何故か安心出来るのは何よりも嬉しい事です。

いい年した中年男二人が城跡でまったりしているのも可笑しいのですが・・・・(汗)

山口城の小城 (57)
山口小城から見た飯山城方面。

甲越紛争における謙信の最後の拠点飯山城を守る山口城。緊張感が今でも伝わる秀逸な城ですネ。

山口城の小城 (63)
この何の変哲もない小山に恐るべき秘密が・・・・・・・・・・・・・・・・・・(笑)

≪山口城 小城≫ (やまぐちじょう こじょう 別名:家老城 四ツ屋小城)

標高:445m 比高:50m 
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:飯山市旭城平
攻城日:2014年11月24日
お勧め度:★★★★★(満点)
城跡までの所要時間:5分
駐車場:道路脇に適当に路駐
見どころ:大堀切、土塁
参考文献:「信濃の山城と館⑧水内・高井・補遺編」(2014年 宮坂武男著 戎光祥出版) 
注意事項:特に無し
付近の城跡:山口城、中条城・累城、飯山城など
その他:巨大横堀は絶対見るべし(藪の困難に立ち向かう事・・・笑)
Special Thanks:あおれんじゃあ様








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Posted on 2015/05/09 Sat. 23:36 [edit]

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