らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

1011

大黒山城 (別名:旭城 長野市平柴)  

◆旭山城の増援部隊の駐屯地か?◆

残暑が無かった分、例年よりも紅葉が始まるかと思いきや朝晩の冷え込みが緩いので広葉樹の落葉が始まるのは中旬以降のようだ。やはり信州の山城の見頃は11月以降であろう。

ここもノロシ山同様にいつでも行けると思いパスし続けた山城であるが、旭山城の東を守る出城として甲越紛争時にも改修されたであろう事を考えると見ておかねばなるまい。
体重の重さと腰の重さは比例する・・(笑)

今回ご案内するのは旭城。山頂の旭山城と混同しやすい名前なのでここでは「大黒山城」(だいこくやまじょう)という名で書いてきますのでご容赦を・・。

旭城(長野市平柴) (56)
城跡は展望が悪いので手前から撮影。眼下の小柴見城と共に善光寺平を一望出来る立地であることが分かる。

【立地】

旭山城の東尾根の中段で裾花川に削られら断崖の上の小山に位置する。周辺には何段か似たような小山があるが、東端に位置する事で天然の要害となっている。
一段下の平場の先には小柴見城があり、それぞれが連携していたと考えられる。

旭城(長野市平柴) (1)
木曽殿屋敷のある集落の突き当りの集落の端の民家の先の車道の脇に車を止めさせていただき、農道を歩きいて大黒山(だいこくやま)の左近稲荷を目指す。

旭城(長野市平柴) (2)
急坂を登った先の段郭と主郭。往時の虎口は右側の東屋を経由し北側の堀切沿いに入ったと思われる。

【城主・城歴】

小柴見城の記事で詳しく触れさせていただいたが、南北朝の時代にここの平柴に守護所(役所)が置かれた事が市河文書に記載されている。
その場所が旭山城なのか小柴見城なのか、この大黒山城のいずれかを指していると思われる。

室町時代、守護職小笠原家の分裂により信濃も戦国時代に突入していくことになるのだが、その後の第二次甲越戦争では旭山城の攻防が繰り広げられ両軍が約200日間の対峙をしてる。大黒山城も手が加えられたのであろう。

旭城見取図①

【城跡】

主郭は城域の最も高い左近稲荷のある場所で長方形の平場だ。往時は土塁が巡っていたであろうが、今は稲荷社の勧進により削られてしまったようだ。

旭城(長野市平柴) (6)
主郭の南側の段郭(22×7)

旭城(長野市平柴) (15)
主郭(22×33)

旭城(長野市平柴) (12)
左近稲荷。近隣の住民に大事にされているようです。

旭城(長野市平柴) (13)
主郭から見た旭山城。

主郭背後に上巾9mの長大な堀切を入れて郭2に繋がる北側を遮断している。
郭2は古墳で石室の開口部が残り緩い傾斜となっていて、それを取り囲むように段郭が置かれている。後年に耕作地となったようで、どこまでが往時の削平なのか分からない状態だが、小山全体が城域だった事はなんとなく理解出来る。

旭城(長野市平柴) (42)
想像してたよりもデカくて太い堀切。

旭城(長野市平柴) (47)
東斜面に竪掘となって続く。結構な長さなのに驚く。

旭城(長野市平柴) (41)
郭2。古墳を利用したらしく削平が不完全になっている。

旭城(長野市平柴) (28)
郭2の北側の段郭。

旭城(長野市平柴) (36)
更に北側には土塁で囲まれたような郭があるが、往時のものかは不明。

弘治元年(1555)、第二次甲越合戦で栗田鶴寿(栗田永寿軒とも)は武田信玄の調略に応じ旭山城へ籠城し上杉軍に反旗を翻した。怒れる謙信は横山城に布陣し攻城戦の構えをみせた。
この時、信玄は兵三千、弓八百、鉄砲三百を旭山城に援軍として送り横山城の動きを牽制したという。(妙法寺記)

旭山城は難攻不落の要害ではあるが城域は広くないので、武田方の援軍は小柴見城や大黒山城にも分散布陣したと思われる。

旭城(長野市平柴) (51)
主郭東側の段郭。東屋はあるが景色は見えない・(汗)

裾花川を挟んだ対岸の葛山城との攻防戦に、この砦も当然ながら巻き込まれたものであろう。


≪大黒山城≫ (だいこくやまじょう 旭城) 

標高:542m 比高:170m (裾花川より)
築城年代:不明
築城・居住:不明
場所:長野市平柴
攻城日:2015年9月27日
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:15分(集落外れより)
駐車場:果樹園脇の空き地借用
見どころ:土塁、堀切
参考文献・書籍:「信濃の山城と館② 更埴・長野編」(宮坂武男著 2013年 戎光祥出版)
注意事項:城跡までの道路は狭く普通車はすれ違い困難なので注意。
付近の城跡:小柴見城、旭山城、横山城など

旭城(長野市平柴) (59)
守護所を置くには抜群のロケーションだ。



スポンサーサイト

Posted on 2015/10/11 Sun. 09:02 [edit]

CM: 2
TB: 0

城主からのご挨拶

地域別攻城戦記

諸国在住の皆さまのありがたき進言

もののふ入城者数

在城中の「もののふ」

攻城戦記年表

▲Page top