らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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笹洞城 (リテイク 上田市上室賀)  

◆「だまれ、小童!」 もう聞けなくなる室賀正武のセリフに敬意を表して・・◆

真田丸のキャストが発表されたとき、ローカルな室賀正武の配役があるのには正直驚いた。天正壬午の乱は避けて通れないので、せめて依田信蕃とか、屋代秀正あたりが順当かと思いきやとんだ番狂わせであった。

だが、回を追うごとに大勢力に振り回される小県の国衆故の苦悩を、西村雅彦演じる室賀氏が絶妙に演じ真田パパ幸の狡猾さを薄めている事に気が付く。そう、彼もまた出浦氏同様にパパ幸に惹かれているのであるが、家康に唆されてあっけない最期となる。

原畑公民館②
室賀氏の居館(原畑城)があったとされる原組公民館付近。

室賀城は、平時の居館のあった原畑城(はらはたじょう)とその背後の詰めの城である笹洞城(ささほらじょう)の一帯を指すものと思われる。
今回、城主・城歴等は割愛し、笹洞城について写真を中心にご案内してみたいと思います。

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原畑城からは詰めの城の笹洞城の主郭がハッキリ見える。

【城跡の様子】

ここは二度ほど訪問している。

最初は2010年5月。この時は温泉施設の背後の東尾根伝いに登ったのだが、道は途中で消え藪漕ぎ。郭2の手前で足が痙攣して悶絶する有様・・(笑) 浅学故に本郭と石積み、背後の大堀切を見て撤収・・・もったいない・・・(爆)

笹洞城2010
2010年に挑んだときの郭2の切岸。

二度目は真田丸の放映決定後の昨年三月。この時は楽に登れそうな北尾根の室賀水上神社の裏手からアタック開始。
その一年後の今年の二月に訪問すると、なんと笹洞城への登り口が整備されているではないか・・・(驚)

笹洞城2015 (125)
2015年3月の室賀水上神社。

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2016年2月の室賀水上神社。例の如く「真田丸」の旗が林立している。

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城跡への表示。

この時は登らなかったが、麓から見た笹洞城の本郭には真田丸の赤い旗が何本か確認出来たので、恐らく地元の方が登りやすいように整備されてしまったのだろう。改変されていなければ良いのだが・・・・(汗)

以下は整備されていない2015年3月の時の現地の様子である。

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城跡からは、室賀の里への侵入者を見張る物見砦の跡部城、そして遠くに小泉氏の城が見える。

笹洞城見取図① 001
縄張図。傾斜の緩い北側斜面に対して竪堀を多用して防御を強化したようだ。

【東尾根】

現在は北の尾根筋にあたる室賀水上神社から登山道が整備されたようだが、本来の登城口は東尾根または原畑城の居館に最も近い南尾根だと思われるがハッキリしない。東尾根は段郭を重ね何条かの竪堀を穿ちかなり厳重なガードが施されている。

笹洞城2015 (6)
段郭と鋭い切岸。

笹洞城2015 (11)
北斜面に落ちる竪堀。

段郭の先の急斜面を登ると堀切㋐が郭2の全面を大きく遮断している。岩盤が固く段郭を重ねるよりも堀切という判断のようだ。

笹洞城2015 (22)
せっかくの大堀切を倒木が邪魔してしまい、迫力に欠ける。

笹洞城2015 (32)
郭2(16×15)

笹洞城2015 (31)
北の尾根筋から主郭への横移動を阻止する為の堀切㋑。

【主郭とその周辺】

郭2から主郭へは南側の犬走のような帯郭を介して主郭より一段低い三角形の張り出しを経て入るようだ。虎口は見当たらないが、入口周辺は二段~三段の石積みを施し厳重に警戒している。

笹洞城2015 (36)
郭2から南へ抜けると祠のある帯郭へ。

笹洞城2015 (50)
主郭の一段下に南側に張り出している郭。

笹洞城2015 (83)

笹洞城2015 (77)

笹洞城2015 (86)

石積みはだいぶ崩落が進んでいるが、観光客の増加が崩落に拍車をかけないで欲しいというのは余計な心配だろうか。
「黙れ、小童!!」とお叱りを受けそうである・・・(笑)

笹洞城2015 (109)
主郭。南側の縁には土塁跡が残る。

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南側より見た主郭。

【主郭背後の三連の堀切】

主郭の背後の西尾根は、堀底まで深さ10、最大幅14mの圧巻の大堀切㋒から連続して上幅10mの㋓と㋔を三連続させて断ち切っている。オーソドックスだが高低差があるので守りは固い。

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大堀切㋒

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堀切㋒は北斜面に深い竪堀となって落ちていく。

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堀底から主郭を見上げる。まさに「壁」(へき)そのものであろう。

笹洞城2015 (62)
かなり埋まっちゃった堀切㋓と㋔

笹洞城2015 (66)
それでも最終の堀切㋔はなんとか体裁を保ってましたが。

【南尾根】

居館のある原畑城から最短のルートはこの尾根であり、大手道はここからと思われるのだが道ははっきりしないし、結構な急斜面なので、ある時期に東尾根に変更された可能性は否定できない。段郭を重ねただけだが、途中に等高線に沿うように列石が置かれている。

笹洞城2015 (87)
主郭の周囲の鋭い切岸を下りると南へ向けた尾根が続く。

笹洞城2015 (93)
南尾根の段郭。

笹洞城2015 (97)
六段~七段の段郭を重ねるオーソドックスな防御方法である。

笹洞城2015 (99)
斜面の中腹には等高線に沿うような石が並列に続いていた。何だろうか?

さて、悩める小県の国衆の室賀氏の室賀城、如何でしたでしょうか?

残念ながら「だまれ、こわっぱ!」は流行語大賞にノミネートされるかは微妙ですが、西村雅彦さん、素晴らしい演技でした。
雑誌のインタビューでは、近々室賀の里を訪れ、室賀城(笹洞城)にも登ってみたいとお話しされていました。
もしかしたら、笹洞城に登って「ささらの湯」に浸かれば、西村さんに偶然出会えるかもしれませんよ。

そしたら、本家本元の「黙れ、小童!!!!!」と叱ってもらおうと思ってます・・・・・・(笑)

笹洞城2015 (91)
途切れ途切れの古びた石積みの似合う山城ですネ。(主郭東端の切岸と石積み)


≪笹洞城≫ (ささほらじょう 室賀城)

標高:692.6m 比高:130m
築城年代:不明
築城者・城主:室賀氏
場所:上田市上室賀
訪問日:2010年5月、2015年3月
お勧め度:★★★★☆ 
所要時間:20分
見どころ:石積み、堀切など
周辺の城跡:原畑城、伊勢崎城、跡部城、三水城、狐落城、浦野城、岡城など
注意事項:登山道は整備されたようですがトレッキング仕様で。
参考文献:「信濃をめぐる境目の山城と館③上田小県編」(宮坂武男著 2013年 戎光祥出版)



笹洞城2015 (128)
室賀城遠景。







Posted on 2016/03/20 Sun. 17:50 [edit]

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