らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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神戸城 (飯山市瑞穂神戸)  

◆尾根の中間に設置された不可解な物見砦◆

北信濃における甲越紛争フリークの方からは「前置きはええから、ちゃっちゃと犬飼山城を掲載せんかい!!」(なんで関西弁?)とお叱りを受けそうだが、物事には順序がある。しかし、何の説得力も無い・・・(笑)

「花より城館・・」  この事である。

先日ご紹介した犬飼館もそうなのだが、実は飯山市には国衆(在地土豪)の城館跡が実に良い形で残っているのである。

小沼湯滝バイパス関係遺跡調査資料① 001 - コピー
「小沼湯滝バイパス関係遺跡発掘調査報告Ⅰ」(1989年 飯山市教育委員会)P176の資料引用添付。

実は小生も「大倉崎館」と「静間館」以外は未だ訪問出来ていないので、夏場対策として巡回する予定である。

今回ご案内するのは、その資料の最後の「9.神戸砦」である。

神戸城 (2)
神戸集落から福島集落に抜ける道路のヘアピンカーブの先端に砦がある。

【立地】

飯山市瑞穂地区の神戸(ごうど)と福島、富田を分けるように伸びる尾根の先端に近い部分にあり、現在は集落を繋ぐ道路の為に東側の堀が破壊されたようである。往時も間道が堀中を通っていたらしいが、険しい立地ではないので平時の時の物見や狼煙台の類いであろうか。

神戸城 (1)
言われなければ素通りしてしまうような場所だ。

【城主・城歴】

伝承や記録が無く全く不明である。神戸集落の北の尾根を越えれば北信濃の三大霊場の一つであった小菅神社に通じるが、神社との繋がりは無かったようで、犬飼館と犬飼山城の中間を抑える位置にある事からこちらに関連のある施設だったと考えられている。

神戸城見取図 001
土手付きの単郭の前後を掘り切っただけの質素な作りの砦である。

神戸城 (3)
10m四方の方形の単郭は南と西に土塁痕が残る。周回していないのは何故だろう?

神戸城 (4)
南側に開く虎口。

【城跡】

この砦の遺構について記載がある資料は「小沼湯滝バイパス関係遺跡発掘調査報告Ⅰ」(1989年 飯山市教育委員会)のみである。この発掘調査報告書には、バイパス工事に伴って中央部分が壊滅する中世の居館跡である大倉崎館の発掘調査状況と館の経歴の詳細が記されており、その関連で神戸砦(神戸城)の遺構の略図と説明が掲載されている。

といっても

「瑞穂地区神戸(ごうど)と富田(とみだ)の間を西走する尾根中檀にあり、東を道で切られているが、もともと東に空堀があったらしい。西は土塁と空堀がある。平坦地は10m四方で100㎡である」

と書いてあるだけである・・・・(汗)

神戸城 (7)
西側の堀底から北側を撮影。

神戸城 (8)
西側の堀底から南側を撮影。堀の全長は短い。

神戸城 (10)
西側から堀切を挟んで郭を撮影。この角度から見ると砦っぽいのが分かる・・・(笑)

神戸城 (9)
堀切を越えた尾根先は平場になっているが、郭という認識には当てはまらないようである。

前回、犬飼館の記事で、犬飼山城との城館一体型と推定するには無理が多い、と書いたが思慮が足りなかったようにも思え反省している。

高梨氏の本拠地である中野小館と詰め城とされた鴨ヶ岳城もかなり距離がある。
ましてやこの地区の武田侵攻前の知行者は高梨氏であるので、犬飼館~神戸城~犬飼城の緊急時の防御ラインは事実としてあったのかもしれない。(現在残る犬飼山城の遺構は、武田方の市河氏が武田軍の支援を受けて改修したものであろう)

神戸城 (13)
西側から見た郭の内部。

たかが単郭、されど単郭である・・・。

この地方の甲越合戦の推移を眺めていた物言わぬ生き証人である。大事に後世に残したいものである。

神戸城 (20)
かつての堀があったというヘアピンカーブを見下ろす。通路兼堀切として門が設置されていたようにも思えます。

≪神戸城≫ (ごうどじょう・向山砦)

標高:402m 比高:60m
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:飯山市瑞穂神戸
攻城日:2016年4月16日
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:-
駐車場:無し、道路脇に路駐
見どころ:郭、土塁、堀切
注意事項:特になし
参考文献:「信濃の山城と館⑧水内・高井・補遺編」(2014年1月 宮坂武男著)、「小沼湯滝バイパス関係遺跡発掘調査報告Ⅰ」(1989年 飯山市教育委員会)

神戸城 (16)
砦跡から見た神戸集落。交代で砦の番を命じられたと思われる。

Posted on 2016/04/22 Fri. 22:50 [edit]

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