らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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木曽氏居館 (木曽郡木曽町福島)  

◆武田領の西端を守り続けた木曽氏の居館跡◆

記事は久々の木曽方面となる。

そう、某国営放送の大河ドラマ「真田丸」の第七話で、威張り三昧の田舎侍として登場した木曽義昌。人質となっていた信繁の祖母である「とり」に幼少名の「宗太郎」と呼び捨てにされ叱られた気弱なヤツといえば、何となく思い出していただけるであろうか・・・(汗)

今回ご案内するのは、武田氏滅亡の重大戦犯と言われ続け人気が全く無い木曽氏の居館跡。
家名存続をかけた木曽義昌の決断が非難されるのは何故なんでしょうかねえ・・。

木曽氏居館 (6)
現在の福島小学校が木曽氏居館の中心地だったという。

【立地】

福島城のある城山の南東の山麓が居館跡(向城 むかいじょう)である。木曽川へ黒川と八沢川が合流する所に木曽福島のまちがあり、木曽川の両岸の段丘上と山尾根上に多くの城砦、狼煙台があり、木曽氏及び後の山村氏の本拠地を形成している。

木曽氏居館 (7)
山村代官屋敷は木曽氏居館を更に拡張した広大な屋敷地であった。(写真は小学校に隣接する下屋敷)

【館主・館歴】

「長野県町村誌」に「木曽氏竝山村氏宅跡」として、「城山の麓、木曽氏の古宅跡、山村氏之に居住す。面積建坪一町五反九畝十一歩、外郭厩六畝二十七歩、馬場二反一畝、城山新建林一町、統計二町八反七畝八歩、木曽氏之を築くや、義元と云ひ、義康と云ふ。古記證すべきなし。伹殿守楼櫓の宏壮、木曽氏の建築ならむ。明治四年山村氏来地返上、悉皆破毀し田園と為す。曩者(さきの日)山村氏黒川を引て城山を囲繞し、向城用水と為す。其間二十六町。新開村平民、古畑惣右衛門、談兵を好み、築城の技に精し、山村氏選挙し之を督せしめ、文化十二年(1815)成る。之の陰地、水保ち難く溝廃す。明治三年之を復し、址田に灌ぐ。」とある。

木曽氏居館跡見取図①
木曽氏居館跡とその周辺。(yahoo地図を加工しています)

木曽氏の本拠は須原であったが、応永年間に親豊が小丸山城を築いて移り、以来木曽氏の本拠地となる。武田氏の木曽進入の時には、上之段城には義康が、其の子義昌は小丸山城を守ったが、義康父子は武田氏に降り、両城は戦火から免れた。その時の武田の陣城が向城とされる。
居館の造営の時期は、「木曽古道記」に「弘治二年(1556)義康新造ノ館善尽シ美尽シテ成ル(大川ノ西今山村氏ノ屋敷是ナリ)」とあり、弘治の頃に城山の福島城も築城されたと考えられている。

木曽氏居館 ①
福島小学校の校庭。木曽氏⇒山村氏と屋敷地であった。正面に火燃山狼煙台(ひともしやまのろしだい)が見える。

武田氏滅亡後、木曽氏と府中の小笠原貞慶との間に争いがおこり、貞慶の軍が福島まで攻め込み、上之段の館は焼かれ、義昌は向城の館に居館し守っている。天正十八年(1590)義昌は秀吉により下総に移封され、犬山城主の石川氏が木曽を支配する。木曽氏が改易になると木曽氏遺臣、千村氏・山村氏が木曽党を集めて家康に属して木曽へ乱入し、これを奪還し、その功績で山村氏は代官として以後維新まで木曽氏館跡に居住し、木曽を支配することとなる。

IMG_1411.jpg
居館跡から見上げる福島城。ここからの登城ルートが大手らしいが、道がハッキリしていない。

木曽氏居館 (16)
小笠原貞慶によって焼き討ちされたという上之段城の遠景。

木曽氏居館 (25)
段丘の先端にある小丸山城の遠景。

【館跡】

館跡に立つ「山村代官下屋敷」の案内看板には、山村氏は鎌倉幕府の大学頭大江氏の分流で木曽氏の重臣として活躍し、関ヶ原の合戦の前哨戦で功をあげ木曽代官として、木曽の山林、福島の関所を守り強大な権力を手中にする。屋敷は豪壮を極め、文政十一年の絵図によると、福島小学校を含む敷地に、庭園が二十あり、その一つが現存する下屋敷の庭とある。

この館は木曽義康の館に始まり、更に石川氏の代官が居て、その後山村氏が完成させたということになる。
山村氏の勢威は、その墓所を見ればいかに強大であったかが伺える。

木曽氏居館 (8)
説明板に掲載されている山村代官屋敷。壮大な屋敷地であったことが分かる。

木曽氏居館 (9)
下屋敷地には山村大明神なる稲荷社が祀られている。


≪木曽氏居館≫ (きそしきょかん 向城・山村代官屋敷)

標高:765m 比高:10m
築城年代:不明
築城・居住者:木曽氏、石川氏、山村氏
場所:木曽町福島
攻城日:2015年5月24日 
お勧め度:★★☆☆☆
館跡までの所要時間:- 駐車場:町営駐車場を利用
見どころ:山村代官屋敷(有料)
注意事項:小学校なので不用意に撮影すると通報される可能性あり。要注意。
参考文献:「信濃の山城と館⑦安曇・木曽編」(2013年 宮坂武男著 P441参照)
付近の城址:福島城、小丸山城、上之段城、火燃山狼煙台など

小丸山城 (13)
対岸の小丸山城から見た木曽氏居館遠景。

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Posted on 2016/09/03 Sat. 10:58 [edit]

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