らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~
「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。
0827
岩村城 2017再訪記 
◆10年ぶりに訪れた境目の堅固な山城に感動が蘇る‥◆
先日敢行した「美濃の山城弾丸ツアー」の当初のリストには無くて、相方のていぴす殿が未訪だというので急遽加えられた岩村城。
小生は約10年前の1月に、大坂への出張の帰りに立ち寄った場所である。
みぞれ交じりの雪に覆われた堅固な石垣の城の幻想的な美しさに囚われの身となり、得体のしれない邪気にも取り憑かれた因縁の城でもあった・・・(汗)

復元された藩邸跡の城門と太鼓櫓がお出迎え
岩村城の探訪記は「美濃の城」の「岩邑城①~岩邑城⑤」に連載しているので、今回は写真と前回と違った視点で見た場所を記載してみたいと思う。

ではこの案内図をご参考に・・・。

ピンボケの藤坂。前回訪問時の事件発生場所。やはり何か見えない力で空間が歪んでいる・・・(汗)

攻城兵にクランクを強いる初門。

一の門。攻城兵を高石垣から狙い撃ちする位置にあるが、何かチョッと変だなあー。

良く見れば、二段の高石垣が孕んで崩落しそうになっている。五百年の歳月に耐えてきたが、限界なのか?
【車で本丸まで乗り入れできる事への賛否】
小生も、「ならば楽して山城見物にあやかりたい・・」という不埒な願望に苛まれているが、岩村城の本丸に車で乗り入れ出来る事は今回の下調べで初めて知った。
足弱のご老人や身体障がい者への配慮であったとしても、遺構を破壊してまで本丸への車道の開通が必要であったか?というのは極めて疑問である。
観光客の中には犬の散歩をさせている場違いな方もおるし、全く歴史や城に興味のない子供が親にブーイングしている光景も目にした。竹田城と同じく観光地化が著しいのだと実感するが、このままでは、六段壁の崩落も時間の問題であろうか・・・。

思いっきりヘアピンカーブさせた通路を塞ぐ「土岐門」。この門の石垣は年代の違いを物語っている。
●畳橋・大手門・三重櫓
岩村城の最も防御が厳重な箇所だ。天主の代りとなった望楼の三重層櫓はここに置かれ、畳橋は木製で有事の際には破却され攻城兵がキルゾーンの阿鼻叫喚地獄に陥るのである。

大手門の石垣。ここもかなり傷みがひどく修復しなけれなならないようである。

大手門と三重櫓の石垣。

畳橋が架かっていた場所。

晩秋や冬の趣も良いが、時代の違う苔むした石垣を鑑賞できる夏も良いと思う。

夏場の石垣も悪くないねえ・・(笑)
●謎の三層張りぼて櫓?
車で岩村城に向かっているときに、山裾から岩村城址に何やら怪しい三層の櫓を見た。目の錯覚だろう気にしなかったが、まさか「ここで逢ったが百年目」になるとは思わなかった・・・(笑)

秀吉の小田原城攻めの石垣城(一夜城)を彷彿とさせる「張りぼて」の三層櫓。

いったい、何年前に作られたの?

けが人が出る前に撤去を希望します・・・(汗)
●名所「六段壁」も窮地に・・・
深刻なのは、「六段壁」の石垣も補修が必要になっている現状であろうか。
五百年の歳月の劣化であれば致し方ないが、押し寄せる観光客の無用な登壇によるものだとすれば人的災害であろう。
早急な復帰を望みたい。

真っ赤なスコーンが痛々しいし、史跡にはそぐわないものである。

「六段壁」は、最上段の石垣を支える為の土留めとして拡張され続け、六段になったのだという。
●美しき城の中枢部
埋門(うずみもん)を多用する本郭周辺は岩村城独特の構築であろう。武田支配下の秋山虎繁時代の岩村城の縄張りは近代城郭への改修により上書きされてしまい見る影も無いが本丸の位置は代々踏襲されたものと推測される。

二の丸門。石垣が強力な防御構造であることを思い知る瞬間である。

二の丸と本丸の接続部分。

本丸から見た埋門の枡形。

岩村城の本丸。降って湧いた観光客の切れ間をぬっての撮影。

岩村城の本丸その2。
●美しき石垣の山城
とかく忘れがちなのは、この城が山城であることだ。これだけの高所に石を運び石垣を造作するのはかなりの難作業であったと思われる。

六段壁に繋がる美しい二の丸の側壁。

出丸(駐車場)側の壁面を形成する二段の美しい石垣。

出丸側から撮影した本丸の側壁。
●中世山城の遺構
秋山時代の中世の山城の遺構を求めて、我々は出丸の隣の南曲輪に突入した。
石垣に魅了された我々ではあるが、土の城探索となると何故か嬉しくなる・・・(笑)

南曲輪の最初の堀切跡。

南曲輪を探索するも藪が酷く写真は無理っぽい。
●再訪によせて
「境目の城」・・・我々はその言葉の響きに、その時代の背景を思い起こしてみる。
織田方との最前線にあった武田方の近畿方面作戦司令官「秋山虎繁」はここで何を想い、そして散ったのであろうか・・。

さほど険しい山城ではありませんので、坂道と石垣を楽しみながら散策して見て欲しいお勧めの山城ですw
先日敢行した「美濃の山城弾丸ツアー」の当初のリストには無くて、相方のていぴす殿が未訪だというので急遽加えられた岩村城。
小生は約10年前の1月に、大坂への出張の帰りに立ち寄った場所である。
みぞれ交じりの雪に覆われた堅固な石垣の城の幻想的な美しさに囚われの身となり、得体のしれない邪気にも取り憑かれた因縁の城でもあった・・・(汗)

復元された藩邸跡の城門と太鼓櫓がお出迎え
岩村城の探訪記は「美濃の城」の「岩邑城①~岩邑城⑤」に連載しているので、今回は写真と前回と違った視点で見た場所を記載してみたいと思う。

ではこの案内図をご参考に・・・。

ピンボケの藤坂。前回訪問時の事件発生場所。やはり何か見えない力で空間が歪んでいる・・・(汗)

攻城兵にクランクを強いる初門。

一の門。攻城兵を高石垣から狙い撃ちする位置にあるが、何かチョッと変だなあー。

良く見れば、二段の高石垣が孕んで崩落しそうになっている。五百年の歳月に耐えてきたが、限界なのか?
【車で本丸まで乗り入れできる事への賛否】
小生も、「ならば楽して山城見物にあやかりたい・・」という不埒な願望に苛まれているが、岩村城の本丸に車で乗り入れ出来る事は今回の下調べで初めて知った。
足弱のご老人や身体障がい者への配慮であったとしても、遺構を破壊してまで本丸への車道の開通が必要であったか?というのは極めて疑問である。
観光客の中には犬の散歩をさせている場違いな方もおるし、全く歴史や城に興味のない子供が親にブーイングしている光景も目にした。竹田城と同じく観光地化が著しいのだと実感するが、このままでは、六段壁の崩落も時間の問題であろうか・・・。

思いっきりヘアピンカーブさせた通路を塞ぐ「土岐門」。この門の石垣は年代の違いを物語っている。
●畳橋・大手門・三重櫓
岩村城の最も防御が厳重な箇所だ。天主の代りとなった望楼の三重層櫓はここに置かれ、畳橋は木製で有事の際には破却され攻城兵がキルゾーンの阿鼻叫喚地獄に陥るのである。

大手門の石垣。ここもかなり傷みがひどく修復しなけれなならないようである。

大手門と三重櫓の石垣。

畳橋が架かっていた場所。

晩秋や冬の趣も良いが、時代の違う苔むした石垣を鑑賞できる夏も良いと思う。

夏場の石垣も悪くないねえ・・(笑)
●謎の三層張りぼて櫓?
車で岩村城に向かっているときに、山裾から岩村城址に何やら怪しい三層の櫓を見た。目の錯覚だろう気にしなかったが、まさか「ここで逢ったが百年目」になるとは思わなかった・・・(笑)

秀吉の小田原城攻めの石垣城(一夜城)を彷彿とさせる「張りぼて」の三層櫓。

いったい、何年前に作られたの?

けが人が出る前に撤去を希望します・・・(汗)
●名所「六段壁」も窮地に・・・
深刻なのは、「六段壁」の石垣も補修が必要になっている現状であろうか。
五百年の歳月の劣化であれば致し方ないが、押し寄せる観光客の無用な登壇によるものだとすれば人的災害であろう。
早急な復帰を望みたい。

真っ赤なスコーンが痛々しいし、史跡にはそぐわないものである。

「六段壁」は、最上段の石垣を支える為の土留めとして拡張され続け、六段になったのだという。
●美しき城の中枢部
埋門(うずみもん)を多用する本郭周辺は岩村城独特の構築であろう。武田支配下の秋山虎繁時代の岩村城の縄張りは近代城郭への改修により上書きされてしまい見る影も無いが本丸の位置は代々踏襲されたものと推測される。

二の丸門。石垣が強力な防御構造であることを思い知る瞬間である。

二の丸と本丸の接続部分。

本丸から見た埋門の枡形。

岩村城の本丸。降って湧いた観光客の切れ間をぬっての撮影。

岩村城の本丸その2。
●美しき石垣の山城
とかく忘れがちなのは、この城が山城であることだ。これだけの高所に石を運び石垣を造作するのはかなりの難作業であったと思われる。

六段壁に繋がる美しい二の丸の側壁。

出丸(駐車場)側の壁面を形成する二段の美しい石垣。

出丸側から撮影した本丸の側壁。
●中世山城の遺構
秋山時代の中世の山城の遺構を求めて、我々は出丸の隣の南曲輪に突入した。
石垣に魅了された我々ではあるが、土の城探索となると何故か嬉しくなる・・・(笑)

南曲輪の最初の堀切跡。

南曲輪を探索するも藪が酷く写真は無理っぽい。
●再訪によせて
「境目の城」・・・我々はその言葉の響きに、その時代の背景を思い起こしてみる。
織田方との最前線にあった武田方の近畿方面作戦司令官「秋山虎繁」はここで何を想い、そして散ったのであろうか・・。

さほど険しい山城ではありませんので、坂道と石垣を楽しみながら散策して見て欲しいお勧めの山城ですw
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Posted on 2017/08/27 Sun. 22:34 [edit]
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