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らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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裾花ダム見学会 その1  

◆自然の猛威に対して絶対の防御システムでは無いダムを理解する◆

西日本の豪雨災害に際してましては、被害を受けられた被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

今回の災害では愛媛県の野村ダム、京都府の日吉ダムの緊急放流が洪水被害を拡大させたとして、かなり厳しい意見が述べられている。

そんな最中の7月28日・29日に裾花ダム見学会を敢えて開いた長野県企業局の勇気ある決断には敬意を表したい。

そしてダムの役割は「防災」ではなく「減災」という新たな認識を持つべくその見学会に参戦してきた。(ヒマ人の言い訳か・・)

奥裾花ダム (39)
裾花川の源流に建設された奥裾花ダム。(長野市鬼無里 1980年完成)

小生も知らなかったが、毎年夏休みのこの時期に開催しているというダム見学会。土・日の開催は今回が初めての試みだという。


【奥裾花ダムのデータ】

所在地:長野県長野市鬼無里(きなさ)
河川名:信濃川水系裾花川(すそばながわ)
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:コンジットゲート×1門
     クレストゲート×2門
堤高・堤頂長:59m・170m
総貯水量:540万㎥
管理者:長野県
本体工事/完成年:1972年/1980年

奥裾花ダム (1)
先日の豪雨で流木留めのフェンスを越えて滞留している流木。大きい樹木はクレーン車で吊り揚げて撤去するのだという。

奥裾花ダム (8)
ダム湖。

奥裾花ダム (6)
ダムの下方には発電所が2基あり、奥が最近増設された新しい発電所。

奥裾花ダム (7)
ダムの頂部。(長さ170m)

【ダム操作室とダム内部の見学】

ダム見学会ではふだん見る事の出来ない場所を見学させてもらえる。そこが嬉しいし、ダムに親しみを感じる瞬間である。

ブラタモリで紹介された黒部ダムには遠く及ばないが、「オラー、わくわくすっどー!!」(野沢直子の物まねで・・・・笑)

奥裾花ダム (15)
管理事務所二階にある操作室。反対側には巨大な「ダムコン」と呼ばれる放流制御コンピュータが2基設置されている。

奥裾花ダム (14)
奥裾花ダムから裾花ダムまでの下流には21カ所のサイレン警報施設があり、緊急放流の際にはここから操作発令を行うという。

ダムの内部には地震計が「頂部」「中間」「底部」の三ヶ所設置され手万全を期している。

奥裾花ダム (17)
頂部の地震計

奥裾花ダム (19)
ダム内の通路。小生の背丈が182なので200ぐらいの高さであろうか?

ダムの中央の洪水吐(コンジットゲート)は油圧式のラジアルゲート。ふだんは貯水池地から発電所経由で下流に放流しているのでゲートが開く事なないが、大雨や雪解けで通常の水量よりも多くなった時に水量調整のために開く。
※「洪水」(こうずい)というと河川が溢れる溢れるイメージだが、河川用語では通常の水量を超える状態を「洪水」と呼ぶ。

なので、この中央の洪水吐(こうずいばき)は「常用洪水吐」とよばれダム設計時の想定内の水量を調整するために開閉するが、想定外の水量でダムの上を乗り越えて溢れるのを防ぐのが「非常用洪水吐」。

奥裾花ダム (40)


今回西日本の豪雨災害で問題とされているのは、二ヶ所のダムがこの非常用洪水吐を開けて緊急放流した際に下流域に対して事前の通知が遅れ、結果として非難に充分な時間が確保されなかった為に住民が逃げ遅れ災害を拡大させたのではないか、という点である。

行政側を言語するつもりはないが、非常用洪水吐を開けなければダム自体が決壊してしまい想像できない被害が生じる事を考えた場合には、やむを得ない措置だったと思うが、当時の事実をしっかりとj検証して公表いただき教訓として次に生かして欲しいと考える。

奥裾花ダム (22)
常用洪水吐の中央ゲートを上部より撮影。放水量を開口操作において「cm」単位で調整するのだという。

奥裾花ダム (27)
中央洪水吐ゲート操作の装置。何故か「エイリアン コヴェナント」の場面を思い出す・・・(笑)


奥裾花ダム (29)
中央洪水吐の点検をするためには誤って放流しない為に予備ゲートを閉める。その為の制御装置。

奥裾花ダム (32)
中央洪水吐ゲートから発電所を撮影。見学会ならではの撮影スポット。

奥裾花ダム (33)
正面に見える岸壁工事は最近の崩落事故の修復。この辺りは毎年のように自然災害が発生し奥裾花自然園は通行止めのままだ。

奥裾花ダム (34)
雪解けの春先には矢印のラインまで水面が上がるそうです。

【過去に一度だけ開いた非常用洪水吐】

企業局の方の説明では、過去に一度だけ非常用洪水吐を開いた・・それが平成7年7月11日の長野県北部豪雨災害であった。

係員の方は「平成のセブンイレブン豪雨災害」として語り継いでいるそうで、ダム決壊の危機に瀕した緊迫の状況の中で、当時の長野県知事の指令により非常用洪水吐から放水した。

この時は、下流の裾花ダムとの連携により、裾花ダムは非常用洪水吐の放水をギリギリまで耐えた為に長野市内の浸水による被害は辛うじて逃れる事が出来たという。素晴らしい英断だと思います。

奥裾花ダム (41)
鬼女紅葉伝説の里を流れる裾花川の源流。

今宵はここまで。次回は裾花ダムということでご容赦くだされ・・・(笑)


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Posted on 2018/08/01 Wed. 21:49 [edit]

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