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らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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小西城 (上伊那郡辰野町押野)  

◆たのめの里を一望する山城◆

我々信州人でも「たのめの里」(憑の里)が何処にあるかを知る人は少ない。そういう小生も城巡りで訪れて初めて知った次第である。

【たのめの里】

小野は、たのめの里という。平安時代、藤原氏全盛のころの「清少納言記」にも、「しなのなる 伊那のこほりと思ふには 誰かための里と いふらん」 (夫木集)
たのめとは、どういう意味か知らないが、とにかく、古く知られた、いわくのある所だったらしい。(「伊那の古城」篠田徳登著)

たのめの里と呼ばれる小野盆地は、古くから松本・塩尻に繋がる東筑摩郡と木曽郡・上伊那郡の境となる交通の要衝であった。

今回ご案内するのは、そんな「たのめの里」を眼下に収める「小西城」である。

小西城(辰野町) (72)
主郭に鎮座する御嶽教の石碑。


【立地】

小野盆地の北西に聳える霧訪山(きりとうやま 1305m)から南へ延びた尾根の末端にこぶのような二つの高まりがある。その北側の高まりのピークに小西城がある。麓の押野集落を東西に走る道は、西へ向かえば牛首峠を越えて木曽街道につながり、この砦が木曽郡との往来を監視した事が考えられるという。

小西城(辰野町) (65)
登城路は二つある。東麓の押野コミュニティセンターから15分かけて登る方法と、車で西側の林道に入り鞍部に横付けする方法ある。その場合軽自動車でないと厳しい。当然ながら、小生は後者を選択・・(笑)。(写真中央は鞍部)

小西城(辰野町) (4)
鞍部からの比高は約50mほど。結構な急斜面なので驚く。

小西城見取図②

【城主・城歴】

小野は古くから、小野神社や矢彦神社に関わる勢力が支配した地域で、北方の塩尻市側にある上田城も川鳥城も神社との関係があったものと考えられている。
小西城は、小野地区の木曽口に当たる場所にあり、木曽氏の砦であるとの伝承もあり、一方草間備前(肥前とも)の砦ともいわれる。

小西城(辰野町) (6)
鞍部を登ると最初に現れる上巾7mの落差のある堀切。

草間肥前は、小笠原長時の旗下で、武田氏が伊那へ侵入した天文の頃には、辰野におり、荒神山や羽場古城に居て武田と戦ったとされる人物である。その草間氏がある時期にこの小西城も支配下においていたことも考えられるが、はっきりしたことはわからない。

小西城(辰野町) (11)
主郭への尾根は三重の堀切で遮断している周到さである。

小西城(辰野町) (16)
土塁の全周する主郭(25×12)。鳥居の建つ東側が虎口だったと思われる。

【城跡】

尾根上の半独立峰のような小山に立地していて、主郭は南北25m、東西は南辺で役12m、北辺8mという小さなもので、低い土塁が全周していて、東側が土塁が切れていて虎口と思われる。曲輪内には西側に石積みの段があり、御嶽神社が祀られている。南北に細長い主郭の前後を一~二条の堀切で守っている。

小西城(辰野町) (18)
鳥居の建つ場所が虎口と想定される。

小西城(辰野町) (17)
コンパクトな主郭。

小西城(辰野町) (23)
北側から撮影。戦国時代が終わると山岳信仰のメッカとして領民の心の拠所であったという。

小西城(辰野町) (34)
主郭の北側の堀切。

小西城(辰野町) (40)
北側の尾根筋には段郭が二ヶ所確認出来る。

南へ続く尾根筋は、150mほどのところに鞍部があり、ここへ東の沢から登る道がある。これが大手の道ではないかと思われる。鞍部の南に南北に長い山があり、尾根上に平地が認められる。物見などがあったかもしれないが、砦としての遺構は見当たらない。
以上のように小西城は小規模で在地土豪の要害城の範囲に属するもので、その点からすると草間氏の要害として築かれ、武田氏の統治下で街道を抑える城として使われたものと推定される。

小西城(辰野町) (58)
南側の小山に登ってみた。

小西城(辰野町) (63)
尾根を削平し最高地点には神社が勧進されたらしいが、今は朽ちそうな鳥居と石祠のみ。砦としての遺構は見当たらない。

宮坂武男氏の推察する通り、在地土豪が古道を監視する砦としてはこの程度で充分であったろう。東斜面の尾の集落側の尾根には屋敷があったのかもしれない。

≪小西城≫ (こにしじょう 草間城・古城)

標高:937.2mm 比高:77m
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:上伊那郡辰野町小野
攻城日:2016年4月24日
お勧め度:★★☆☆☆
難易度:D(SS・S・A・B・C・Dの6段階のランク分け)
城跡までの所要時間:鞍部の西側より約5分 東沢の麓の押野コミュニティセンターより徒歩15分 駐車場:無し(路駐)
見どころ:三連続堀切、土塁など
注意事項:特に無いが、秋は松茸山で止め山らしいので注意
参考文献:「信濃の山城と館⑤ 上伊那編 宮坂武男著」 「定本 伊那谷の城」
付近の城址:道林の砦、竜ヶ崎城、王城など


Ⓢは鞍部まで車で入る場合の路駐位置。㋹は主郭。

小西城(辰野町) (66)
西側の鞍部付近から見た小西城。



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Posted on 2020/03/31 Tue. 22:46 [edit]

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