らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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塔ノ原城(安曇野市)  

◆峰の奥に隠された要害堅固の城◆

軍艦プラモブログと間違われそうなので、真面目に本来の記事を掲載したいと思います・・・(笑)

2週間連続で、国道143号線の青木峠を越えて四賀地区の会田虚空蔵山城を過ぎ、旧明科町の城跡を攻める。

19号線に出る手前を左に折れて、長峰山へ向かう舗装された林道の途中に登り口がある。

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目立たない看板なんで、思わず通り過ぎてしまった(笑)


塔ノ原城は鎌倉時代末期に、会田氏一族の塔ノ原氏が築き、海野三河守が在城していたとみられる。

塔ノ原氏の城館は、現在の明科中学校敷地の南側にあり、その北側には菩提寺の雲龍寺がある。

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犀川沿いの高台に位置する居館跡。(明科中学校)

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菩提寺である雲龍寺。裏山の峰の奥に塔ノ原城があるのだが、この位置からは見えない。

城跡は、長峰山と入の沢を隔てた尾根の標高750m地点にある。

長峰山の西下には犀川が北流し、三段の河岸段丘に集落が発展している。

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長峰山遊歩道を10分ほど歩くと塔ノ原城の説明板があるので、入口だとわかる。

「高白斎記」にみえる塔ノ原城の記録は、武田氏に攻められた天文二十二年(1553)四月二日に「午刻苅谷原ノ城被攻落、城主長門守生捕、酉刻ニ晴?塔ノ原城自落」とあり、武田氏の軍門に降り、五月五日「塔ノ原城破却」と記されている。


浅い堀切数条のある緩い丘を越えると、見る者(攻め手)を圧倒する五条の深い堀切からなる「扇堀(おおぎぼり)」

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戦艦大和の三連装主砲のようだ

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堀切は東側に刻まれ集約されて扇の形を形成している。

「素晴らしい・・・・」

これほど機能的で美しい堀切は初めて見た。

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高さ12m以上はある本郭背後の大堀切

「恐るべし、中信濃の山城・・・・・」

とは思う反面、これだけの防禦を持っていれば籠城戦に持ち込み、信玄との駆け引きに使えたはずなのに「何故??」

植原城でも感じた率直な感想である。

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15×39の本郭一段目。

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22×26の本郭二段目。2mの段差がある。

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武者隠れのような窪地まである。

東側に配置された腰廓を見るまでもなく、限りなく実戦を想定した要害城なのである。

しかも、城の弱点である東側を相当に意識している作りだ。

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本郭の切岸は河原の丸石で囲んだ石積みだったらしい。

尾根伝いにある光城もこの塔ノ原城も、犀川を見下ろす西側は深い天然の沢に守られているが東側は無防備なのだ。

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城跡より×5で撮影した犀川方面。

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二の郭から連続する腰廓方面。

ここから大手筋である尾根を下ると更にいくつかの郭を配置しているというが、今回は断念した。

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この郭の先には、更に厳重な防禦の郭を配置しているという。

天正十年(1582)武田氏滅亡後、塔ノ原氏は翌十一年に孫左近の寄子に編入され、小笠原氏に降っていたが、古廐氏、赤沢氏とともに謀反が発覚。

同年二月、松本城にて謀殺されて、以後塔ノ原城は甦ることは無かった。

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宮坂武男先生の縄張り図。神だ・・

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東側の大手口にある吐中集落からみる塔ノ原城全景。

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わざわざ隠さなくても通用する実戦向けの素晴らしい城跡です。是非、ご探訪願う。


≪塔ノ原城≫ (とうのはらじょう)

標高:750.0m 比高72m
築城年代:鎌倉時代後期
築城・居住者:塔ノ原氏
場所:安曇野市明科中川手6805-42
攻城日:2011年10月2日 
お勧め度:★★★★★★(満点)
城跡までの所要時間:林道より遊歩道経由で10分
見どころ:扇堀は特に素晴らしい遺構で、らんまる推薦です。
参考文献:探訪信州の古城~城跡と古戦場を歩く~(郷土出版社)











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Posted on 2011/10/05 Wed. 21:48 [edit]

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