らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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古城山城 (長野市若穂川田)  

◆最近までマジで存在を知らなかった武田系の山城◆

古城(ふるじょう)?何それ(笑)

オーソドックスな名前ですが聞いた事無いっスねえ。 別名「古城山城ふるじょうやまじょう)」良く分かんない・・(汗)

霞城の北隣の尾根にも山城があったなんて知らなかったのである。

古城山城 (1)国道403号線関崎橋東詰信号機付近には松代藩時代の「関崎の渡し」址がある。ここに突き出ている尾根が城跡である。


そういえば清水長久氏の著書で「続・山城紀行」に川田城なる記載があった事を思い出した。

海津城周辺の目ぼしい山城はほとんど制したつもりだったが、「抜けておったか・・」この事であった(笑)


町川田神社を100mほど東へ歩くと城跡への道標があるので迷う事は無い。少し登ると小さな北向観音堂があったので、城攻めの無事を祈願する。

古城山城 (4)道路脇の道標。

古城山城 (6)北向観音堂。

気温がだいぶ緩んだとはいえ、雪はまだかなり残っている。

この時期の楽しみは雪道の動物の足跡なのだが、さすがにクーさんのは見たくない・・・・(汗)

10分ほど坂を登ると尾根に出る。この辺は「大室古墳群」と呼ばれあちらこちらに「○号古墳」という標識があるが、石室が露出している訳では無いのでなんとなく分かりづらい。

古城山城 (20)何となく郭っぽいんだけど古墳址です(笑)

古城山城 (15)千曲川に突き出た段丘から南側の城砦。

ここから南の尾根伝いに更に10分ほど登ると城域に入る。

古城山城 (24)上巾5mの堀切㋐。土塁付き。

北に堀切㋐を穿った郭10が最初に現れる。主郭群からはちょっと離れているので物見砦という位置づけだろうか。

古城山城 (28)郭10

古城見取図①

そういえば、この縄張りに良く似た城があったっけ。
そうそう、荒神尾城の造りにどこか似ている。

古城山城 (32)郭9までの尾根上は特に防御施設などない。

古城山城 (34)堀切㋑と郭9の段郭。

この尾根には㋐~㋓まで四本の堀切が入っているが、どれも長く美しい竪掘となって斜面を落ちている。

武田による改修であろう。

古城山城 (39)堀切㋑の美しい曲線R構造。

郭9から本郭への尾根はきれいに平削されており、㋒と㋓の段差を持つ二重堀切の防御ラインの精度は高い。

古城山城 (46)見事な二重堀。ワクワクします。

古城山城 (47)堀切㋒。

古城山城 (55)北の沢に竪掘となる堀切㋓。

【城主・城歴】

一説には川田小学校の場所に居館を構えていた川田対馬守の居城と伝えられるがハッキリしない。

天文年間に武田軍の築いた城との言い伝えもあるので海津城の北の備えとして武田が改修したというのは間違いの無いところであろうか。

古城山城 (62)主郭手前の郭8。尾根伝いの敵を迎撃するには絶好の位置にある。

古城山城 (65)主郭(23×10)。東に虎口が確認出来る。

古城山城 (67)主郭背後は土塁で迫り上げていたらしい。

面白い事に、本郭のピークは三角点より10m低い北側にある。

いきなり背後を四重の堀切とせずに郭2を後方に置いているのが特徴で、この処理は塩崎城の背後の処理に共通しているようだ。

古城山城 (68)本郭1から見下ろした郭2。(7×11)

奇妙山(1099.5m)へ続く南の尾根はセオリー通りに四連の堀切で遮断している。

古城山城 (70)

古城山城 (84)上巾8.5mの実測値だった堀切㋘。主郭背後の切岸の処理も見事である。

古城山城 (80)南端の堀切㋙から見た四連続の堀切。

まあ、これだけだったら貧相な砦の部類だろうが、北東に張り出した段郭は重厚感のある仕上がりだった。
しかしこの方面に大手があったのか?という推定は無理があるかもしれない。

古城山城 (85)北側は保科・川田集落を越えて「綿内要害」と呼ばれた春山城、総石積みの謎の城霜台城がある。

北東の尾根は合計五段の段郭を持つ。

麓から見た場合の威厳も考慮した造りだったと思われる。

古城山城 (88)郭3(31×7)

古城山城 (91)郭3には虚空蔵菩薩の祠がある。

古城山城 (92)郭4。

古城山城 (93)郭5(21×7)

古城山城 (101)郭6。連続する段郭群の中では最大の面積を誇る。

チョッと古い様式のような気もするが、各郭は丁寧に削平してあり土木技術の水準は高いような気がする。

おまけに北の沢に向けて三本の竪掘を長大に穿っている。

古城山城 (100)竪掘㋖。

古城山城 (111)堀切㋔。

もともと北東尾根に段郭主体の古い砦があったものを、武田軍が北西尾根を新たに付け加えて改修し大手も変更したと見るのが良さそうな気がします。

ここからのロケーションは素晴らしく、武田軍が飯山口への備えとしてこの城を拡充したのが位置的にも理解出来ますね。

古城山城 (109)

≪古城山城≫ (ふるじょうやまじょう 古城) 

標高:533m 比高188m
築城年代:不明
築城・居住者:川田氏(?)、武田氏
場所:長野市若穂川田
攻城日:2013年2月3日 
見どころ:堀切、竪掘、郭、土塁、石積など
お勧め度:★★★★☆
城跡までの所要時間:20分
注意:駐車場所は近くに無いので注意。
付近の見どころ:霞城など
参考文献:「信濃の山城と館② 宮坂武男著」

古城山城 (116)長野電鉄旧松代線若穂川田駅より見た古城山城遠景。







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Posted on 2013/02/05 Tue. 22:42 [edit]

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コメント

こんばんは

おつかれさまです。
この城は、去年の12月頃に訪城したんですが、武田氏の改修だったんですね。
知りませんでした。。。。
本郭の裏の堀切ケの西側に立派な石積があったんですが、堀切内にも少々見られたので
一応、石積を使用した城だったんでしょうか。近くにある霞城も石積の城ですしね。

北東尾根の段郭の美しさとニ頭のカモシカさんに感動しました。
またご一緒しましょうね。。。。いま、また雪降ってますが。

ていぴす #- | URL | 2013/02/06 05:00 * edit *

Re:ていぴす様へ

ほほう、さすがでございますなあー、既に行っておられましたか。

周辺の諸城が石積みオンパレードの中で控えめ・・しかも土留めの石積みって感じでしたね。
武田群の前線が飯山口へ伸びるに従って利用価値も無くなったのでしょうか。
シンプルですが要所を抑えてメリハリのある城でした。

今日の雪、積もらない事を願っています(笑)

らんまる #- | URL | 2013/02/06 07:13 * edit *

川田古城?

多分、ここ行ったことあると思うけど。
7年ほど前だったかな?
温泉施設の脇から登って行ったと思うけど。

秋だったもので笹が凄く、遺構がちっとも分からんかった。
笹は刈ってくれたのかな。
すっきりして全然違う城に見えるねえ。

あおれんじゃあ #- | URL | 2013/02/06 20:41 * edit *

Re:あおれんじゃあ様へ

間違いありませんネ。尾根の南側は温泉施設がありますよ。

地元の方が城跡をだいぶ整備されたようで、北西尾根の急坂には虎ロープまで取り付けてあります。
ありがたい事です。
周辺の石積み仕様の諸城の迫力には埋没しますが、防御の基本をキッチリ抑えた秀逸の城です。
もっと沢山の方に知ってもらいたいと思い掲載した次第です。

らんまる #- | URL | 2013/02/06 21:01 * edit *

雪つもりましたかねえ

藪と熊さん情報で、断念していたのですが
いいお城になったようですね。

竪堀がいい感じです、春になったらいってみようかな
と思ってしまいました。

丸馬出 #- | URL | 2013/02/07 08:27 * edit *

Re:丸馬出様へ

とても良く整備された城跡だったのでビックリしました。
雪解けを待って春に登るのがお勧めですネ。

らんまる #- | URL | 2013/02/07 20:20 * edit *

古城でもすごい

立派な遺構で背後の4重の堀切もすごそうですね 本郭の虎口も残り段郭も重厚な感じがします
上杉氏時代には、すでに使用されずに古城と呼ばれたのでしょうか
また、周囲にもたくさん城があるようですね(驚)

yama #mQop/nM. | URL | 2013/02/07 23:49 * edit *

Re:yama様へ

コメントありがとうございます。

「古城」と呼ばれていますが戦国期に改修された跡があるので名前だけで判断されたら可哀そうなネーミングです(笑)
海津城周辺というよりは川中島一帯は城館群がクモの巣のように張り巡らされているので、真面目にそれらを見て回れば一週間以上はかかるでしょうか・・(汗)
いずれも石積みを駆使した特徴ある山城が多いので必見ですよ。

らんまる #- | URL | 2013/02/08 07:16 * edit *
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