らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0421

田屋城 (松本市梓川上野)  

◆西牧氏の初期における本城か?◆

先週は珍しく仕事が超多忙で疲れもピーク。酒飲んで早々に爆睡してしまった。

そんでもって、明け方目が覚めると窓の外は白銀の世界・・・?? おまけにチョー寒い。

DSCN2820.jpg
先週納車になった家人の新車に積もった雪。この車、軽なのにハイテク満載らしい(驚きっ)

来週からゴールデンウィークだってのに「雪かい!!」(汗)


気を取り直して、今回ご紹介するのは西牧氏城砦ツアー第二弾の田屋城。

田屋城 (3)登城口にある曹洞宗真光寺。

残念な事にこの山城、Web上では未公開のようだ。

ネット初公開は美味しいと思う反面、未知との遭遇であり無事辿り着く保証など無いのだ。

同行者のていぴす殿と宮坂武男氏の縄張図を握りしめて登り口を探すのだが、案の定荒れ果てて消えている。

田屋城 (6)山の神の裏手を直登する羽目になる。

この日は午前中に亀山城・北条城・城日影砦を攻めた。三か所の比高は合計約400m。

午後一番で予定した田屋城は地形図から300m程度の約1時間と見込んでいた。

田屋城 (83)急斜面と灌木の雑木林が行く手を阻む。

全く酷い急斜面である。中塔城を思い出した。

斜面にビッシリ生えている灌木類も邪魔で、踏み跡が辛うじてあるものの長い間手入れなどされてないらしい。

途中一か所展望の開ける場所があったので一休みする。

田屋城 (7)波田町・山形村方面。

「前方の斜面に人の気配がします!」とていぴす殿が言う。

「まさかこんな山に登るモノ好きなどいないでしょ・・」と小生。呑気なものである(笑)

ものの10秒もしないうちに猟犬が現れ、その奥からハンターが我々に声を掛けてきたので二度ビックリ!!(汗)

聞けばニホンシカやイノシシなどの害獣駆除は狩猟シーズンとは関係なく申請すれば年中許可されるとの事。

仲間の方に連絡していただき、城跡までの道のりは誤射の無いように保証していただく。

田屋城見取図①宮坂武男氏の縄張図を参照してます。

クーさんとの出逢いも怖いが、やはり一番怖いのは人間であることを再認識した・・(冷汗)

田屋城 (11)郭4の南尾根側には2本のアレ(堀切)が確認できる。

登り始めて45分でようやく城域に入る。

段郭を重ねる手法なのだが、かなり雑で荒っぽい。年代の古さを感じる。

田屋城 (14)楕円形の郭4。

田屋城 (16)登り斜面に不整形に郭を配置している。

田屋城 (19)城内の道は竪掘の機能もあったのだろうか。

更に登ると、東尾根と合流する部分に比較的広い郭3を置き主郭を守っているのが見て取れる。

田屋城 (22)整地が不完全な郭3。

田屋城 (21)南尾根と東尾根の中間の沢へ向けて長い竪掘が入る。

田屋城 (23)東尾根の竪掘。

さて、ここから田屋城の主要な郭を見ていこう。

郭1の東側には土塁を付けた堀切㋐を穿っているが、風化で埋まった事を考慮してもかなり浅い。

田屋城 (28)郭1から見た堀切㋐。

主郭はかなりの広さがあるが、周囲に土塁があったのかは不明である。

北条城の主郭は土塁が全周していたので往時はあったのかもしれない。

田屋城 (78)郭1(49×24)かなりデカイ。

田屋城 (75)主郭の南側の帯郭。

田屋城 (73)堀切㋑

ボーっとした緊張感の無い城である・・(笑)

西牧氏が所領を拡大し北条城を築くに及んでその役目を終えたのだろうか。

もっとも隣接する中塔城に小笠原長時さんが逃げ込んで籠城なんかしちゃったものだから、北条城は恐ろしいほど尾根を切り刻んで防御構築を拡張していったと思われる。

それに対してこの田屋城は戦国末期には放棄されていたようである。

田屋城 (44)細長いだけの郭2。

田屋城 (45)郭2の両サイドには帯郭がある。


田屋城 (48)堀切㋒(上巾7)

西尾根の稜線は痩せ尾根となり、塹壕のような竪掘が北の沢に落ちている。

殿様水とよばれる水の手が城域の西端にあった。

田屋城 (49)搦め手の防御ラインとして左右を切岸にしたようだ。

田屋城 (53)北の斜面に向けて塹壕のような竪掘が三本ある。

田屋城 (56)稜線も掘り抜いているのには驚く。

我々はここで「殿様水」と呼ばれる井戸探しを行い、無駄な体力をイッキに使い切ったのである・・・(爆)

急な斜面を這い上がり、沢を探索して ようやく見つけたのである。

田屋城 (59)くたびれた末に発見された井戸。

我々信濃先方衆同迷軍は城跡に到着すると、どんな小さな砦であろうと最低でも1時間は隅々まで見て歩く。

竪掘も掘り底まで下りて行って調査するので、戻るのが大変である(笑)

地侍やお百姓さんたちが丹精込めて(こき使われて?)造った山の砦をしっかり拝んで帰らないとバチが当たりますもの。

13:30に登り始めて、下山したのが何と16:00でした・・・(汗)

疲れ果ててしまい、もう一か所攻める体力などありゃしなかった・・・・・・・(爆)

田屋城 (88)東側の山麓から見た田屋城。

≪田屋城≫ (たやじょう 上野城)

標高:1065m 比高300m 
築城年代:不明
築城・居住者:西牧氏
場所:松本市梓川上野田屋
攻城日:2013年3月17日 
お勧め度:★★★☆☆
城跡までの経路:真光寺脇の林道を進み途中の山の神から斜面を直登する。城跡まで止め山ロープが張ってある。
見どころ:堀切、郭など
付近の城跡:北条城、鞠子山砦、亀山城など
注意事項:止め山なので秋は避けるべし。ハンターの害獣駆除にも注意すべし。
参考文献:「信州の山城と館④ 松本・筑摩編 宮坂武男著」
Special Thanks:ていぴす殿


北條城2 (112)亀山城の麓にある金松字より見た田屋城全景。




















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Posted on 2013/04/21 Sun. 14:55 [edit]

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コメント

おつかれさまです

お世話になっております。
この写真を見ると、辛かった事を思い出しますね。
先週も辛かったですけど。。。。
らんまるさんのおかげでいい体験ができております。
感謝!感謝!でございます。
先週忙しかったのですが、休出が無くなったので、写真の撮り直しで
岡谷の高尾山城と諏訪の餓鬼山烽火台・井森城・茅野の齢松山城・鬼場城
の4つを見てきました。諏訪周辺はあと3つくらいですかね。
やっぱり城跡に居るのがなによりも幸せでした。。。。???
えっと。。。。家族と居る時もですかね。

ていぴす #- | URL | 2013/04/21 15:46 * edit *

Re:ていぴす様へ

相変わらず重症でございますねえ・・(汗)

本日は中止で正解でした。この時期に無理攻めして雪山遭難なんて洒落にもなりませんもの・・(笑)
鬼場城は小生もお気に入りの城です。(鉄塔が刺さっているのが許せませんが)
しかし、餓鬼山烽火台っていつ聞いても凄い名前ですよ。そこらへんのガキどもを人柱にしたんでしょうか(汗)
年を重ねるごとに体力が落ち無理がききません。宮坂センセのように八十歳でも元気に登れる老後が来るのでしょうか・・・・・・・(冷汗)

らんまる #- | URL | 2013/04/21 16:55 * edit *

ご無沙汰です。

なかなか味わい深い山城ですね。
この地域はわたしの(当時の)魅惑の地であります。何度も横断したのが懐かしいです。
今は育児に忙殺され、なかなか訪問できませんが、いずれは踏破したいものです。

この城、戦国時代に、村のじっっちゃん、ばっちゃんが避難した場所かと思うと、本当に、その辺の由緒ある神社よりも、ゾクゾクしてしまいます・・・v-8

マサハレ #- | URL | 2013/04/21 22:00 * edit *

キ!!

こんな城、築く方も、400年以上も経って行く人も「キ」印!
でも、羨ましいねえ。
こんなのこっちにはないもんねえ。
高い山の上で竪堀なんて見ると「ぞく」ってするね。
俺もビョーキだわ。

あおれんじゃあ #- | URL | 2013/04/21 23:42 * edit *

Re:マサハレ様へ

こちらこそいつも不躾なブログをお読みいただきありがとうございます(笑)

「あそこへ登るの?チョーキツくねえ?」毎回そんな感じでしょうか・・(爆)
この辺りの城砦は段郭を多用して防御構造としているのが特徴でしょうか。
二木さんちの中塔城も似たような造りですよね。

おらが村の砦・・・みんな個性的でワクワクしますネ。

らんまる #- | URL | 2013/04/22 07:27 * edit *

Re:あおれんじゃあ様へ

最大級の賛辞を頂戴し恐悦至極でございます・・・(笑)

「よくもまあ、こんな山の上に造るなよなあー」とブツブツ言いながら登っておりますが・・(汗)
写真撮っても土の塊だし、溝だし、草むらだし・・・・(爆)

そんなんに取り憑かれちゃった貴殿も小生もどうなっちゃうんですかね。
ブツブツ言いながら、城跡とか居館跡という匂いに反応して永遠に彷徨うのでしょう・・・。

らんまる #- | URL | 2013/04/22 07:33 * edit *
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