らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0503

花古屋城 (リテイク 上田市上田)  

◆高低差100m、長さ400mの尾根を利用した長屋仕様の砦◆

記録的な低温が続く信州。遅霜や低温による農作物の被害は5億円を超しているという。

それでも山城のシーズンが延長されることは無く、既に野山には新緑が萌え燃えである・・・(汗)

ラストを塩田城探索に執着した先月後半を後悔していないが、このままではまだ終われない思いもある・・(笑)

今回ご紹介するのは、3年前に拙い文章と写真で後悔ばかりだった花古屋城(はなこやじょう)のリテイク。

花古屋城2 001市民の山として大人気・大混雑の太郎山表参道が花古屋城への正攻法である。

登山道の入り口付近の道路は路駐の車で大混雑(汗)

登り始めてすれ違った方は20人以上!「今日は太郎山祭りかい!!」

まあ確かに40分もあれば頂上まで登れる整備された手軽なトレッキングコースの山なので人気は高い。

花古屋城2 003上信越自動車道を眼下に見下ろす登山道。

ご覧の通り、攻城日は4/29で既に山々は緑が萌えだしている。

花古屋城見取図②
※「宮坂武男 平成十六年 図解山城探訪第三集 上田小県資料編 花古屋城縄張図」を参照に作図しています。

数珠つなぎのような行列の出来る登山道の標高700m付近で左手に見える鉄塔手前の脇道へ入る。

花古屋城2 008太郎山七丁丁石(祠)が入り口の目印。

小縣郡史(大正十五年)には、花古屋砦として以下の記載がある。

「花古屋砦は上田市上田區小字花小屋にあり。太郎山の東南端に位して、八級の段階を設く。東は黄金澤の渓水を帯び、北は太郎山に連なり、西南は平地に接す。東方砥石城に望み、西方牛頸の砦を経て、岩花の砦を見るべし。里傳に天文年間村上義清の筑造に係わり、本城葛尾より砥石に至る連珠砦の一なるといふ。今尚武器の断片腐片蝕せるを出すことあり。或いはいわく、花隈某の拠るところなるを以って花隈城と唱えしが、後世訛りて花小屋となると。」

三年ぶりに訪れたのだが、本郭背後の高土塁を伴う高さ9mの大堀切は相変らす圧巻である。

花古屋城2 010石積みの残る高土塁。

花古屋城2 012西斜面へ竪掘となって落ちるV字の堀切㋔。

花古屋城2 015西側のみの片側竪掘の㋕。

村上連珠砦群の砦としては高津屋城に次ぐ城域の長さで、鉄塔から尾根先まで400mもある。
当初は郭が一つか二つしかなかった土豪の物見砦を拡張していったものであろうか。

花古屋城2 020東に向けて土塁を付けた堀切㋖

鉄塔付近は改変されているが、前後に堀切が入っているので郭があったと見れるか?

花古屋城2 032堀切㋗

花古屋城2 033北側最終の堀切㋘。東斜面に竪掘となる。

搦め手方面の防衛処理を幾重にも巡らせている村上連珠砦群の特徴をこの城にも見る事が出来る。

花古屋城2 041豪快に西の沢を削る堀切㋔。下ではアレとなって堀切㋕と合流する。

花古屋城2 045痺れる高さの郭1の塁壁。

花古屋城2 047思わずため息の聞こえそうな石積み(爆)


さて、ここからが「いい部屋ネット」にも掲載されそうな花古屋長屋の紹介となる(笑)

【郭1】

周囲を高土塁で囲まれた雨水溜めがあり「水の手郭」の様相を呈している。無論城の最高位になる。

花古屋城2 062郭1。

花古屋城2 069郭2との切岸には石積みの跡。全周していたと思われる。

【郭2】

郭1との落差は16mほどあり、この城の郭で最大の面積を誇る。丁寧に削平されているので主要建物はここにあったと思われる。

花古屋城2 065郭1から見下ろした郭2(16×29 実測値)

花古屋城2 072きれいに削平されている。

花古屋城2 078郭2と郭3の間も11mの落差があり切岸は石積みだったらしく崩落した石が散乱している。

【郭3】

主要な4つの郭の中では最も面積が小さいが、郭の周囲の石積みがしっかり残っているので中々の見ごたえである。

花古屋城2 081郭2から見下ろした全景。落差がお分かりいただけるでしょうか?

花古屋城2 079巾は5mほどしかない。向こう側が東側になるが砥石城方面は全く見えない。

花古屋城2 087村上砦群に良くみられる無骨な石積み(笑)


【郭4】

郭としてはっきりしているのはこの郭4までで、あとは次第に輪郭がはっきりせず曖昧な段郭が連続していく。

この郭も丁寧に削平してある。

花古屋城2 083郭3から見下ろした郭4(10×19)

花古屋城2 092

花古屋城2 094郭4から見上げた郭3の塁壁。高い!

郭1から郭4までは直線距離で100m比高差は約50mだが、かなり急な角度を付けて連続して切り落としている上に切岸に石積みを配置することで防御力はトップクラスになっている。堀切など不要な落差である。


【郭4以降の尾根先まで】

郭4から尾根先の基準点までの約250mは4本の堀切と傾斜した緩い連続する段郭が続く。

元々は連絡用の通路が、だんだんと削平されて拡張されていったのだろうか?

花古屋城2 104上巾7mの堀切㋓。埋没しいつつある。

花古屋城2 111曖昧な段郭が続く。

花古屋城2 116検証中の堀切㋒。埋まるのは時間の問題。

花古屋城2 130堀切㋑。他の2本よりはハッキリ残っている。

花古屋城2 135緩い傾斜が尾根に向かって続く。

花古屋城2 141上巾6mの堀切㋐。

尾根先の基準点までダラダラと下る。

そう、下り終わって戻るには、登るしか無いというのを忘れていた・・・・・・・(汗)

永遠と続く400m、それも途中からかなりの高低差がある切岸を這い上がる頃には疲れ切ってしまった(笑)

周辺の砦との連絡には視界も悪く不便なところである。砥石城方面への連絡は、一度豊城へ接続しないと柏山城への直接連絡は無理で、西の荒城・牛頸城へもギリギリの位置にある。

しかし砦は防御力も高くある程度の人数が収容できる秀逸さを兼ね備える。

花古屋城2 156郭4から見た豊城方面。視界は良くない。


比高も低いのでお手軽に村上連珠砦群を堪能したい方にはお勧めの砦である。

尾根先までしっかり遠足して調べるのがマニアの基本であると思うが・・・・・・(爆)


≪花古屋城≫ (はなこやじょう 花小屋城、花隈城)

標高:703m 比高153m 
築城年代:不明
築城・居住者:花隈氏?村上氏
場所:上田市上田花小屋
攻城日:2013年4月29日 
お勧め度:★★★★☆
城跡までの所要:太郎山表参道登山口から10分 駐車場:路上駐車。
見どころ:大堀切、石積み、切岸、段郭群
付近の城跡:柏山城、アラ城、牛頸城、豊城、柏山城
注意事項:特に無し
参考文献:「信州の山城と館③ 上田・小県編 宮坂武男著」

花古屋城2 166南西の「古薬師」と呼ばれる平地から見た花小屋城(鉄塔より右の尾根部分)

玄番山 (9)上信越自動車道 上田インター方面から見た花古屋城と豊城

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Posted on 2013/05/03 Fri. 09:24 [edit]

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