らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0811

鬼ヶ城 (上田市武石上本入焼山)  

◆鬼と猿を極めるライフワークとは◆

上田市には、鬼ヶ城が二ヶ所と猿ヶ城が二ヶ所ある。いずれも合併前の旧真田町と旧武石村にあり、真田町は何とかクリアーした。
過去記事は鬼ヶ城(上田市真田町)猿ヶ城(上田市真田町)を参照願います。

この手の名前を冠する城は中世城郭というよりも神話や伝説に近い領域を持つので、城郭マニアでも踏査する方ははほとんどいない・・・・(汗)

「であるか、行くしかあるまいて・・・」 お供のいない桃太郎さんとなった(笑)

鬼ヶ城(上田市焼山) (2)鬼ヶ城への入り口は上田市武石の上本入(かみほんいり)から焼山沢川を1時間歩いた美ヶ原高原の手前にある。

今では車で楽々登れる美ヶ原高原だが、登山家に言わせれば「歩いて辿り着く事が当たり前」なのだそうだ(汗)

「焼山滝」という名所も拝めるようなので軽いトレッキング気分で挑んだが、のちに「鬼」が「鬼」たる所以を痛いほど味わい、更に下山途中で左手を負傷すると云う痛い代償を払う羽目となった。

鬼ヶ城(上田市焼山) (7)イキナリ道を間違えて砂防ダムの滝を見学。この先に道など無い・・(笑)

焼山沢川の川沿いを登るルートなので、川面の音と風を感じながら約1時間で焼山の滝へ。

殿城山も鬼ヶ城も登城口までのアプローチが長すぎだが、直登1時間よりはマシと思うようにした(汗)

鬼ヶ城(上田市焼山) (12)焼山の滝の入り口。

火燈城の「おみかの滝」も素晴らしかったが、焼山の滝も豪快な2パターンの滝を同時に見れる点では他の追従を許さない見事さである。

鬼ヶ城(上田市焼山) (14)一粒で二度美味しい(笑)

鬼ヶ城(上田市焼山) (16)焼山の滝1号(雄滝)も実は二段の美しい滝であった。

鬼ヶ城(上田市焼山) (22)焼山の滝2号(雌滝)。「ブラボー!!」(って何人じゃい)

マイナスイオンを浴びながら、感嘆の雄叫びをあげていた。もち、周りには誰もいないのを確認して・・(笑)

片道1時間の苦労をしないと見る事の出来ない滝。ありがたい事ですネ。


【鬼ヶ城】

実は、戻ってきてから気が付いたのだが、沢の入り口の看板には鬼ヶ城の情報が書かれたいたのだ。

鬼ヶ城(上田市焼山) (3)登山道案内板はテキトーに読んで素通り。こういう奴は遭難するらしい・・(汗)

鬼ヶ城(上田市焼山) (45)

道が無いのは承知していたが、場所はアバウトすぎでしょ(笑)

それに道が無いのに史跡指定するってアリでしょうか・・・??

焼山滝を戻り、美ヶ原登山道を進むと5分ぐらいで看板がある。

鬼ヶ城(上田市焼山) (25)

かなり多くの登山家の皆さんが焼山沢コースのブログやHPを記載されていますが、鬼ヶ城は看板だけの撮影で誰も登ったと云う記録がありません。

道無き登山や直登を得意とする人種は中世城郭オタクだけでしょうか。そこにだけ、そn存在価値があると云われるが、それ以上物申すとブログが炎上しそうだ・・。

鬼ヶ城(上田市焼山) (28)ヒノキ沢。看板を乗り越えて一度ヒノキ沢に降ってから北の尾根にへばり付く。

鬼ヶ城(上田市焼山) (31)

ヒノキ沢から比高220mぐらいで鬼ヶ城なのだが、尾根の両サイドの沢は深くガレが多い。慎重にルートを見極めないと転落必死であった。

「止めようか・・・」

携帯電話は「圏外」の表示だった。滑落して生きていても捜索隊が見つけられるか疑問であった。

既に1時間経過していた。

比高220mで1時間なんてありえない。通常なら2倍返しだろう(笑)帰れる保証も無い。

鬼ヶ城(上田市焼山) (34)城址手前の尾根先からの美ヶ原方面。

「ここまで来たら、鬼と刺し違えるか」

鬼と猿は小生のライフワークであり、他の追従を許さないプライドであった。

東側の絶壁を迂回して城址を目指す。ケモノ道も消え、城址まであと50mで万事休す。

鬼ヶ城(上田市焼山) (37)命綱も無しに登る恐怖。

そこは鬼ヶ城の先端で、宮坂氏も尾根からの登撃では不可能だと申していた場所である。

鬼ヶ城(上田市焼山) (42)鬼ヶ城から見た美ヶ原王ヶ頭。

宮坂氏の見た鬼ヶ城をそのまま見たかった。

それより、生きて帰りたかった。生きていればいつかリベンジできるのである。

鬼ヶ城(上田市焼山) (38)信濃の城と館に記載されている写真の岩と松を逆から撮影。

その後、ヒノキ沢まで転がり落ちるように戻ったが、途中で滑り落ちて左手を負傷する。

まあ、命に別条は無いのでヨシとしておこう。

鬼ヶ城(上田市焼山) (39)この枝を踏み台にして登る勇気がありますか?

物見砦としては絶好のロケーションだが、居住性は全く無い。それに標高1,670mの烽火台なんてあり得ない。

なので逃げ込み城というのも論外だ。

往時は松本の入山辺と小県郡を結ぶ武石峠の間道で、ヒノキ沢を登り焼山の脇(現在の美ヶ原牧場)を通り武石峠に続いていたという(現在の登山道は焼山沢川を辿り王ヶ頭へのルート)

間道を通る人々が、沢筋から見える巨大な岩壁の天然のオブジェを見て鬼の棲家だと思ったのであろうか。

鬼ヶ城(上田市焼山) (27)木々の間から僅かに見える鬼ヶ城。麓から見上げたその姿は正に鬼であった。

この城を中世城郭と捉えるかは別にしても、小生の城歴では最高の標高である。もはや登山そのもの・・・(汗)

鬼ヶ城の称号は伊達じゃなかった。


≪鬼ヶ城≫ (おにがじょう)

標高:1,670.0m 比高:520m (焼山沢登山口より)
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:上田市上武石上本入焼山
攻城日:2013年8月10日 
お勧め度:★☆☆☆☆
城跡までの所要時間:3時間 駐車場:登山口の手前に路側帯があり5台くらい駐車可能
見どころ:焼山の滝 (ん?)
注意事項:携帯電話は圏外。岩ガレの山で滑落の危険がありお勧めしない。地図・コンパス必携。
参考文献:「信濃の山城と館③上田小県編 宮坂武男著」
付近の城址:猿ヶ城




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Posted on 2013/08/11 Sun. 07:16 [edit]

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コメント

暑いもんなあ

ついに一線を越えてしまったようで・・・暑いもんなあ。
何より、ではなく、お大事に。
この暑さに道なき山に登るなんて・・。
遭難したら、半島人のように人のせいにしましょう。

まあ、それは置いておいて、ここは城というより、伝説が作った城なんでしょうか?
史跡とは思えません。
登城中、行くべきか、戻るべきか、迷うことありますねえ。
まあ、結果次第ですが・・。

しかし、滝は見事ですねえ。普通の人はここまででしょう。

あおれんじゃあ #- | URL | 2013/08/11 08:58 * edit *

Re:あおれんじゃあ様へ

とうとう普通の人を超越してしまったんですかねえ(汗)
精神に異常をきたしていても自覚症状が無いのと一緒のようです(笑)

下朝鮮の人たちのように、滑落したら「史跡なのに道が無いのが悪い」と云えばいいでしょうか?(爆)

下山途中でこれから美ヶ原に登ると云う夫婦のハイカーとすれ違いました。
「ああ、僕は普通の趣味じゃないし、間違ってもこの人たちは鬼ヶ城に寄って行こう、などとは思わないのだ」
「滝を見て感嘆するより絶壁に張り付いて後悔しているのがお似合いなのだと」

まあ、暑さのせいということで・・・(笑)

らんまる #- | URL | 2013/08/11 09:16 * edit *

冒険者・・・

熱いですね~。。。。。天気もらんまるさんも!

無事のご帰還何よりでございます。
さすがにここに行く勇気は僕にはありませんで。。。。。尊敬ものですね。
歴史的記録に残るレポートですが、
でも。。。。命を大切に。

ていぴす #- | URL | 2013/08/11 23:42 * edit *

Re:ていぴす様へ

神が見たというのであれば、行くしかあるまい・・・・(笑)
真田町の鬼ヶ城もそうでしたが人為的に作られたものじゃありません。手も加えていないでしょう。
こりゃーもう神話の世界ですねえ。

猿ヶ城とか猿こや関連は逃げ込み城の要素が強く、こちらは手が加えられています。
やはり鬼と猿は違うんだと、生還して気が付いた次第です・・(爆)

らんまる #- | URL | 2013/08/12 06:29 * edit *

神の領域

らんまる様 お邪魔いたします。

 夏場にこの様な場所へ、おひとりで・・・

 城好きとか、城マニアとか、城***とか、そういうレベルを突きぬけ・・・

 ツイニ常人が立ち入ってはならぬ領域に行かれてしまいましたね。

 禁忌を犯した神・・・ 

 ここまできたら神ブログとして、とことん極めてください!

 追伸、昨夜渋滞14時間の難行を乗り越え、秋田から帰還しました。

 全国的にはホトンド知られていないながら、堀幅20メートル以上の大規模な城もあり、貧しい北辺の地に、膨大な普請を続ける財力があったことの不思議を感じて参りました。
 

武蔵の五遁 #- | URL | 2013/08/14 07:02 * edit *

Re:武蔵の五遁様へ

五遁さん、どちらかというと邪教の領域に入ってしまったようです・・・(汗)
「鬼」とか「猿」とか「狐」・・・・ 
キチンと城跡を踏査されている方から見ると、異様というか異端児というか・・(笑)

まあ、そんなことより秋田県へ遠征ですかあ?凄いなあー。
重体渋滞14時間?? 小生には耐えられませんなあー気が狂いそうです。
外征の成果発表楽しみにしております。

らんまる #- | URL | 2013/08/14 11:17 * edit *

命懸け

ご無沙汰しております。
滝の写真がきれいで涼を感じる事が出来ました。(?)
宮坂さんも疑問を呈している場所に、危険を冒して確認に行かれるとは恐れ入りました。
私なら絶対行かないと思うので、本当にすごいです。

しかし、宮坂さんも70歳位の時に行かれているようで、驚きです。
宮坂さんも廻りから病気だと思われていたのでしょうね。それを突き抜けると、あのような業績になるのかと。
らんまる殿もその領域に近付きつつあるようですね。

のら #- | URL | 2013/08/17 11:23 * edit *

Re:のら様へ

お姿は武蔵の五遁さんの写真で拝見しております。お元気そうで何よりです。
あの滝が冥土の土産にならずにホッとしております・・(汗)

城と名前が付く限り幻だろうと伝説だろうと「追っかけ」ております(笑)
しかし、今回は難儀しました。なんせ城跡の手前は土砂崩落が酷くて松林の根っこを掴んでの綱渡りでした。
「生きて帰らねば・・」
沢まで下ったのは良かったのですが、戻り道をロスして原生林を彷徨う事30分。さすがに焦りましたね(爆)

定年後に偉業を達成するというのも宮坂さんらしいです。目標に対する執念に年齢は関係ないのかもしれません。

おかげさまで、真田町角間渓谷の鬼ヶ城は小生の宣伝効果もあり、ようやくメジャースポットになりつつあります。こちらの鬼ヶ城は登山道も無いし命の危険を伴うので伝説の城のままで良いと思ってます・・(笑)

らんまる #- | URL | 2013/08/17 13:51 * edit *

凄~い!!

普通の登山者は絶対に行かない(というか、行かれへん)ところへ行くらんまるさん凄すぎ~(; ̄ー ̄A

ひらさん #mQop/nM. | URL | 2013/10/09 06:48 * edit *

Re:ひらさんへ

城と名が付けば、鬼だろうが猿だろうが見物に行くという卑しい根性が取り柄です(笑)
なので普通の登山者には絶対になれないのだと諦めております・・・(汗)

らんまる #- | URL | 2013/10/09 07:03 * edit *

そうか!これが鬼ケ城だったのか!

らんまる様

ご無沙汰しております。
またも貴殿のブログを徘徊させて頂いております。

小生も約2年前、焼山沢ルートにて王ヶ頭を攻め落とした帰りに鬼ケ城を探しましたが見つからず敗退しました。。。
なるほど、敗退して正解(笑

角間の鬼ケ城も似たような景観でしたが一応鎖はありますので、こちらの方が危険極まりないでしょう。

以後、お気を付け下さい。

ハンチ #- | URL | 2014/05/30 12:50 * edit *

Re: ハンチ様へ

「鬼とか猿とか・・・」イモトの珍獣ハンターじゃあるまいし、そこを極める事で何か得するの?って言われても「それが小生に課せられた宿命というもの・・・」そうお答えするしかありません・・(汗)
小生が現人神として信仰する宮坂武男氏も、滑落死して白骨化したカモシカの屍を乗り越えてこの城に辿り着いたらしいので、一歩間違えれば小生もカモシカと同じ運命を辿ったのでしょうか・・・。

携帯電話の表示は県外「圏外」。
イマドキそんな場所があるなんてと思うかもしれないが、「帰らなかったら死んだと思ってくれ」(笑)
万が一の時には多額の保険金が遺族に入るので、「このまま帰るなよ!」(恐らくホンネであろう)

甲越戦争よりも酷い話ではある・・・・・・(爆)

らんまる #- | URL | 2014/05/30 21:34 * edit *
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