らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0814

冠着山砦 (千曲市・筑北村の境)  

◆標高1200mが烽火台としての限界なのか?◆

冠着山(かむりきやま 1252.2m)と聞いても「???」という方は多いと思う。

姨捨山(オバステヤマ)と云えば見た事はなくとも一度は聞いた事がある方は多いかもしれない。

どちらも同じ山で、信州百名山のひとつである。

姨捨山②真冬の長野中央道の姨捨SAから見た冠着山。少しは涼しくなりました?(2013年2月撮影)

話は逸れるが、信州百名山の中で砦や烽火台などの城址関連がどのくらいあるのか調べてみた。
冠着山の他に3箇所もあり、いずれも上田小県だった。

●子壇嶺岳(こまゆみだけ) 1,223m                  子壇嶺城(冠者城)
●太郎山~虚空蔵山(たろうやま・こくうぞうさん) 1,164m/1,076m   虚空蔵山城
●独鈷山(とっこさん) 1,266m                    峰小屋城

ちなみに小生の百名山達成度は僅か8%。もちろん登山が趣味ではないので完全制覇はあり得ない(笑)

冠着山砦 (2)鳥居平の登り口に立つ看板。

冠着山に登るには以下の3コースがある。

1.八王子山(戸倉上山田温泉)からの真面目登山コース (所要時間:片道3時間30分)
佐良志奈神社の脇に登山道があるのでそこをヒタスラ登る。途中に八王子山砦証城があるので、三箇所の城砦跡をイッキに調査したい方にはお勧め。帰りは坊城平か鳥居平に車をデポしておけばOKだ。

2.坊城平からの表口コース (所要時間:片道約1時間)
猿ヶ馬場峠(聖高原)から県道498号線で一本松峠経由、または筑北村の冠着駅の脇を走る県道494号線でも良いが、坊城平方面の案内板があるので北側の林道へ。「坊城平いこいの森キャンプ場」があるので、そこから約1時間。ロッククライミングの出来る岩もあるので、そこそこスリルを味わいたい方にお勧め。

3.鳥居平からの裏口コース (所要時間:片道25分)
荒砥城を経由する県道498号線をヒタスラ車で走る。(狭いのですれ違い注意)道路脇に鳥居平の登山口があるので、そこに車を止める。ずるい大人の登山がしたい方にお勧め(笑)

冠着山砦 (3)小生の選択肢は当然③である(爆)

まあ、ズルしても比高180mを25分で登る訳だし、真夏だし・・・(汗)

冠着山砦 (12)何とか神社の裏口(頂上)に辿り着く。

この山が烽火台跡だというのは地元の伝承であり「ボウジョウ(望城)」からきているという。まあ、確かにここを制すれば麻績・筑北方面、遠くは善光寺平まで見渡せる。烽火台としては申し分ないだろう。

また、山の頂上の形が坊さんの頭の形だとか、帽子の形にも似ていることからボウジョウの語源があるともいう。

冠着山砦見取図①

単郭に腰郭を巡らせた単純な作りだが、西側の周囲と一段下に土塁が認められる。

冠着山砦 (26)神社建物の裏側の土塁

冠着山砦 (27)郭西側の虎口と土塁

冠着山砦 (28)かなり迫り上げた土塁がお分かりだろうか。

視界360度!と言いたいところだが、南側の筑北村・麻績村方面は雑木林が邪魔して見づらい。

こんな高所に砦を築く必要があったのは南側の連中であり、川中島や更埴の動向を探る目的だったのだろう。

冠着山砦 (33)東側から見た冠着神社。

信濃の山城は場所にもよるが、概ね1,200m程度で限界だと思う。

この辺りでは、それ以上の高さになると若干の天候の変化でも雲がかかってしまい、地上との連絡や他の烽火台との連携が出来なくなる。物見としても当然機能しない。

冠着山砦 (34)郭の東側は犬走りのような細さで雑木林が覆っている。

では、その限界のロケーションをご堪能下さいませ。


冠着山砦 (44)北方面

冠着山砦 (41)東方面(ズーム5倍)

冠着山砦 (45)南方面(展望あまり良くなかった)

あんまり高すぎるのもダメだなあーってのが正直な感想です(汗)

小生は証城(981m)とか葛尾城(814m)からのロケーションが今まで見て来た景色の中では最高で、それ以上の高さになるとどうなの?って思う。

冠着山砦 (47)冠着山権現の祠。

頂上から一段下がった場所に石の祠があり、周囲が土塁で囲まれている。これが防御施設の一部だったのかは不明。定員1名って感じ。

冠着山砦 (56)天水溜めの穴。

また、城域の西端には天水溜めの穴がる。坊城平にも池があるが、1時間かけて水を汲みに行くより雨水を溜めた方が早かったようですね。

まあ、せっかくかので、色々な場所から見た冠着山砦をご覧下さいませ。

葛尾城跡 049五里ヶ峰の頂上(標高1094m)から。

麻績城跡 (16)麻績城(標高943m)から

姨捨SA冠着山姨捨SA(標高600m)から

≪冠着山砦≫ (かむりきやまとりで 坊城 帽城 望城)

標高:1252.2m 比高:180m(鳥居平より) 
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:千曲市と筑北村の境
攻城日:2013年8月13日 
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:25分 駐車場:登山者専用駐車場あり
見どころ:土塁、頂上からの景色
注意事項:林道は舗装路だが狭いので走行注意。
参考文献:「信濃の山城と館②更埴・長野編 宮坂武男著」
付近の城址:いっぱいありますよ(笑)

冠着山砦 (59)出浦城の山麓から見た冠着山砦遠景。




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Posted on 2013/08/14 Wed. 11:07 [edit]

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コメント

雪の中に頭を突っ込みてえ

お盆だってのにこの山ですかい。
開いた口が・・・

この山に砦を構えても、役にも立たないと思うのですが。
なんせ、高すぎて物見になるかいなあ?見えんじゃろ。

狼煙を上げると遠くから目立つかもしれないけど、ここに常駐者がいないと、狼煙をあげるのに時間がかかり役にたったとは思えませぬ。
形状は富士の塔砦によく似ています。

山自体が信仰の山でご神体みたいなもんだから、もしかしたら信仰に伴う遺構のようにも思えます。土塁で囲った神社ってありますもんね。それに山の上で火を燃やして煙を天に、って信仰もあるらしいですし。

しかし、暑いすね。雪原に頭、突っ込みたいです。

あおれんじゃあ #- | URL | 2013/08/14 15:11 * edit *

Re:あおれんじゃあ様へ

師匠、お盆様の到着が遅いのでちょっと高いところへお迎えに行っただけですよ(笑)

今じゃ車でひとっ飛びで着きますが、当時はここに常駐したなんて思えません。冬なら確実に凍死します(汗)
仰せの通り、山が高すぎて何色の烽火か判別も出来ないし鉦や太鼓を叩いても聞こえません。
信玄の烽火かがりにも出てこないのは、気候の変化で簡単に見えなくなるという欠点があったんでしょうね。
でも、駐車場から25分でこの景色ならお得ですよ(笑)美ヶ原とイイ勝負です。

真冬の写真見ても涼しくなりませんが、寒ければ寒いできっと文句言うんでしょうねえ・・(爆)

らんまる #- | URL | 2013/08/14 16:31 * edit *
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