らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

0506

立ヶ花城 (中野市立ヶ花)  

◆巨大な鉄塔が突き刺さり北陸新幹線にも串刺しにされた千曲川渡航地点監視砦◆

そろそろ山城シーズンも終了になる。

葉っぱが恐ろしい勢いで成長し遺構がハッキリしなくなるし、視界不良で景色もロクに見れなくなる。

攻撃系や毒術系の昆虫類、爬虫類がお出ましになり、ケモノ系も活発に活動するので秋まではヒキコモルしかない(笑)

まあ、在庫過剰になっている冬の間の取材した城砦を、賞味期限切れにならないよう掲載するには好都合という考え方もあるが、アップするのも面倒クサイし運動不足になるのも怖い・・・(汗)

髻山城201307
夏の山城攻めは全くやらない訳じゃないが森林浴程度(笑) 写真は2013年7月の髻山城。ていぴす殿と余湖殿の雄姿。


今回ご紹介するのは、上信越自動車道「信州中野IC」の南西800mで千曲川に面した立ヶ花城(たてがなはじょう)

東信濃の山城に鉄塔がブチ刺さっているケースは日常茶飯事に近い(?)が、北信濃・・しかも千曲川に面した丘に刺さっているとは珍しい。ここは送電線網にとっても重要な場所のようである(笑)

立ヶ花城(中野市) (1)
北東から撮影した城跡。ホントに遺構などあるのだろうか?と半信半疑になる。


【立地】

善光寺平の北端で中野市・小布施町・長野市(旧豊野町)の千曲川における境界の表山という場所に立地しまさに境目の城である。
西側の豊野町より鳥居川が、東側の小布施町方面から篠井川が千曲川に合流する場所で、古来の千曲川渡航地点だったと伝わり、対岸の手子塚城と共に敵の動向を探るには絶好の場所である。

立ヶ花城見取図①(中野市)
3の郭の大半とそれより先は土砂採石や鉄塔建設等の改変で消滅して現在は温室栽培用のハウスが建っている。

立ヶ花城(中野市) (27)
※西側の斜面に鉄塔用の保安道があるので、そちらを利用すれば辿りつけます。

立ヶ花城(中野市) (3)
辛うじて残存する郭3の一部の東の端っこから撮影

【城主・城歴】

長野県町村誌には「~弘治・永禄年間、当国川中島合戦の際越軍斥候の地という。此地に登臨すれば、地勢西南に開き、凡そ七里を距てて(へだてて)川中島眼中に落つ、土人読んで城山と云す。(後略)」
上杉軍が斥候(スパイ)を置いた砦らしい。

また、東方800mには高梨氏配下の土豪草間氏の居館があるので、草間氏と関連のある城ではないかと推測されているがハッキリしたことは分からない。
高梨氏の領土の南境に位置し境目の監視砦だったことは間違いなく、甲越合戦で上杉方に活用されたと見るべきであろう。

立ヶ花城(中野市) (5)
案外しっかり残っているのに驚いた堀切㋐。

立ヶ花城(中野市) (8)
鉄塔を突き刺すために改変されたであろう郭2。堀切㋐に対しては土塁が盛られていたと云う。


【城跡】

城跡は鉄塔建設や道路敷設工事、土砂採石等でかなり改変され、特に郭3より東がどうなっていたか不明である。
また、北陸新幹線のトンネル掘削で尾根の先端も護岸用のコンクリートで武装されてしまった。立ヶ花城(中野市) (14)


「長野県の中世城館跡分布調査報告書」(昭和58年 長野県教育委員会)の調査資料によれば、城跡の保存状態は良好で草間氏関連の砦と推定している。また城跡からは槍片・茶臼が出土したと書かれている。掲載されている略図には郭3と土塁が描かれているので、往時は更にもう一条堀切があったのではなかろうか?

立ヶ花城略図(長野県教育委員会)
略し過ぎでしょ!(汗) 本郭の丸い土塁(?)は櫓台?狼煙台?

立ヶ花城(中野市) (13)
郭1は堀切㋑を介して郭2よりも一段高い位置にある。
堀切㋑もキレイに残っております。

立ヶ花城(中野市) (16)
露出不足で別の場所のような写真になってしもた郭1(17×21)

残念ながら主郭は雑木林で視界不良。
普通は鉄塔のある場所とその周辺は電力会社が定期的に下草刈りしてくれますので、ここだけ何で?って思ったら訳がありました。
雑木林の高い枝に鳥が巣を毎年作って子育てしてるんです。

立ヶ花城(中野市) (21)
何かギャーギャーうるさいと思ったら、鳥が巣作りしてましたあ・・(汗)

立ヶ花城(中野市) (16)
焼き鳥になっちゃうんで、焼き討ちは止めましょうネ(汗)  ※つねまるさんのブログデザインを真似てみました。

この場所、確かにすばらしいマルチロケーションで全方位にある城砦が手に取るように見えます。
哨戒の兵隊が置かれたのも頷けますネ。

立ヶ花城(中野市) (2)
南方面(小布施町、須坂市方面)

立ヶ花城(中野市) (28)
高梨氏の居館と本城のある東方面。

≪立ヶ花城≫ (たてがはなじょう 城山 竹の腰)

標高:378.3m 比高:50m(千曲川より)
築城年代:不明
築城・居住者:不明
場所:中野市立ヶ花
攻城日:2014年5月5日 
お勧め度:★★☆☆☆
城跡までの所要時間:5分 駐車場:無し
見どころ:堀切、郭、ロケーション
注意事項:私有地なので要注意
参考文献:「信濃の山城と館⑧水内・高井編⑧ 2013年 宮坂武男著」、「長野県の中世城館跡分布調査報告書」(昭和58年 長野県教育委員会)
付近の城址:手子塚城、草間城、安源寺城など

立ヶ花城(中野市) (32)
対岸西側の手子塚城(てごづかじょう)から見た立ヶ花城全景。まるで秘密基地のようである・・・・(笑)


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Posted on 2014/05/06 Tue. 22:22 [edit]

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コメント

ファイヤー!

こんばんは、らんまるせんせ。
つねまるは感動ファイヤー!でござりまする。

地酒で乾杯でっす。つまみは強火で焙ってもらった焼鳥っす。

つねまる #- | URL | 2014/05/07 20:54 * edit *

Re: つねまる様へ

やってみると楽しいので病みつきになりそうです(笑)
一昨日からウィルス性胃腸炎で、お尻が「ファイヤー!」状態でしたがようやく鎮火しましたあ(汗)

読んでて分かり易く楽しくなるブログに心がけ、土のお城のファンが増える為にも頑張りましょうね!

らんまる #- | URL | 2014/05/08 06:07 * edit *

串刺しの城

まるで磔にされて槍でズタズタにされた感じです。
とはいいながら、鉄塔建設で堀等は破壊していなかったのは妙に感心しました。
建設が1時代前だったら邪魔な堀など完璧にぶっ壊したでしょう。

あの場所、いい場所です。
城を造るには最適の場所ですが、こういうのは現地に立って眺望を見て理解できるもんですなあ。

あおれんじゃあ #- | URL | 2014/05/11 08:55 * edit *

Re: あおれんじゃあ様へ

この砦、手子塚城に調査に行った時には新幹線のトンネルを突き刺す準備中で、高架橋も途中までだった記憶があります。まあ、その時は城跡だとは知らなかった・・(汗)

鉄塔の突き刺さっている城跡って、結構多いように思いますが、逆に電力会社の方が結構気にされていて最小限の改変に抑えてなお且つ毎年草刈りを丁寧にやってくれています。和合城は毎年秋に手入れしていただくのでありがたいです。

個人的にはサンダーバードの基地のようで気に入っています(笑)
ここに大島城のような城があったら、どうだったんでしょうかネ。妄想が膨らむ場所でもあります。

らんまる #- | URL | 2014/05/11 19:27 * edit *
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