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らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~

「戦国の城」それは近世の城郭のような石垣も天守も無く、土塁と空堀というただの土で作られた戦場の砦。 戦国の世を駆け抜けた貴重な資料の宝庫です。

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心の師匠をご案内して歩く信濃の山城ツアー (前編)  

◆我々中世城郭ファンを魅了して止まない中信濃を代表する山城たち◆

小生が信濃の山城専門のブログを始めたものの、鳴かず飛ばずでどうしようもなく止めようかと考えていた時にコメントくれたお二人のうちの一人が「あおれんじゃあ」様でした。(もう一人は城郭専門の有名サイト「城と古戦場」のマサハレ様です)

山城攻略サイトとしてヲタクに当時人気の高かった「房総戦隊ヤブレンジャー」の一員として小生のような駆け出し者からすれば雲の上のような方でしたが、小生の拙いブログに気さくにコメントを入れて頂き今でも天にも昇る気持ちだったのを覚えています・・(笑)

茨城の城郭
あおれんじゃあ様が著者に名を連ねる「茨城の城郭」シリーズ。ウモさんとか余湖さんも共同著者として名がある。

なのでブログ「らんまる攻城戦記」が10年もの間継続して皆様にお披露目出来ているのはアオさんとマサハレ様のおかげだと・・。

アオ師匠の出身地は長野県長野市ですが、現在は常陸国にお住まいなので、時折実家に帰省される際に信濃の山城のアテンドの依頼が時々あります。

今回のアテンド先は麻績村と青木村周辺というご希望がありましたので、小生のチョイスで以下をご案内させていただきました。

ダイジェストで紹介させていただきます。あと、登り口情報とかも・・・。


【麻績古城】 (おみふるじょう 別名:虚空蔵山城 )

過去記事は⇒麻績古城を参照。

戦国時代における中信濃のスクランブル交差点に位置する青柳城と麻績城は、古くは甲越紛争における武田信玄VS上杉謙信、天正壬午の乱では小笠原貞慶VS上杉景勝の壮絶な争奪戦の舞台になっている。

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主郭入口の虎口は石積みで導入経路も含めてしっかりと普請されています。

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主郭を全周する石積み。

特に貞慶VS景勝の仁義なき戦いは、ここ麻績城と仁科口(大町市と小川村の境)に位置する千見城で死闘が繰り広げられ、秀吉の大名や国人同士の私戦を禁じた惣無事令(関白による停戦命令)すら無視して、直接秀吉が仲介に乗り出してようやく停戦となる有り様であったという。

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本郭背後の巨大な土塁と周辺を調査するアオ師匠の雄姿。

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主郭背後の落差15mもある巨大な堀切。残念ながらカメラでは全体を写せない・・・(汗)

現在の麻績古城(虚空蔵山城)は、戦国末期まで小笠原と上杉の双方が争奪戦を繰り広げながら改修した最終形であろう事は想像に難くない。

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郭2の北側のW底に加工された二条目の巨大な堀切。この世のものとは思えない落差12m。感動を新たにする。

駐車場から僅か15分で城域というお手軽さでありながら、その遺構は見る者を圧倒し、戦国末期の山城の最終形の凄さが否応なしに伝わる。

アオ師匠曰く「コスパも最強、遺構も最強で言う事なし」


Ⓢは観月苑の駐車場。ここに車を止めさせていただく。あとは沢を10分登れば尾根の堀切でそこから城跡。


【麻績新城】 (おみしんじょう 麻績城)

過去記事は⇒麻績城を参照。

前項で紹介した麻績古城を補完するように背後の山上の尾根に築城されたのが麻績新城だと伝わる。
古城が落城したときの逃げ込み城というよりは、伏兵を置いていざというときの援軍の駐屯地という性格のようだが、どうであろう。

麓から見ると険しい痩せ尾根で駐留する人数も少ないように思えるが、実際にはかなりの兵隊が収容できる削平地が造成されている。

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今回は時間短縮のため、搦め手筋の北山口から登城。この道は初トライだったが、正面大手道よりイージーでお薦めである。

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鞍部へ上がる部分にも道標があるので迷うことは無い。

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鞍部の絵図は傾き、説明板は倒れていたので起こした。

鞍部から城域に入るには険しい痩せ尾根を登るので注意が必要である。

見張り台が置かれたと思われる痩せ尾根の最高点を過ぎると、尾根が太く削平され、堀切が現れる。

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堀切とアオ師匠。

こんな高い場所に堀切を穿つとは、よほど鞍部からの敵に備えたのであろう。

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広い主郭の新しい標柱には驚いた・・・やるな麻績村教育委員会・・・(笑) 背後には尾根続きの「ノロシ山」が見える。

周囲を岩場と急崖に囲まれた麓に位置する麻績古城(虚空蔵山城)が、そう簡単に落城するとは思えず。麻績城を巡る攻防戦は、背後に位置するこの麻績新城の争奪戦だったかもしれない。ここを先に落とせば、麻績古城は時間の問題であろう。

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麻績新城の主郭の西側は段郭が数段に渡って綺麗に残っている。かなり改修されたとみるべきであろう。

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とっても目立つ山だよね。

アオ師匠曰く「こんな痩せ尾根の先に、こんな広い主郭が造成されているとは誰も思わないだろう」・・・全くその通りである。

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城跡からの景色を撮り忘れたので、7年前の画像でご勘弁ください(笑) そう、ここが中信濃のスクランブル交差点さ!!

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山城の素晴らしさはそのロケーションにもある。


Ⓢは搦め手の北山口の登り口。道路脇の空き地に止めたら近所の方に怒られたので、登り口の手前の公園駐車場に駐車して歩くのが良いかと。レ点は鞍部。ここまで15分ぐらいだが登山道は快適。ここから西側の尾根全体が城域です。

同じ城への再訪問を嫌う諸氏もいるようですが、小生は何度同じ山城を訪問してもその都度違う発見があるので、いつもワクワクして出掛けます・・(笑)

それと、山城探訪を始めたあの頃の初心に戻れるような気がしてます・・・・ 皆さんはどうですか?

装備とか、心構えとか、経験とか・・・そんなことより「どうしてもあの山城に巡り合いたい」 その一心で出陣したんです(笑)

忘れちゃいけませんね、大事な原点。どんなに経験を積んでも初心者と同じ心のままで山城を楽しめないなら退場ですね。

後編に続く・・・・






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Posted on 2019/11/27 Wed. 22:21 [edit]

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コメント

恐縮至極

らんまる殿
かくも過大なほどのお褒めの言葉、恐縮至極でございます。
もう、すでに信濃の城郭については第一人者の貴殿です。
果敢な攻めの姿勢に刺激を受けること多々です。
俺ももっと過激にならなくては・・とは言っても、徐々に足の衰えを感じることがあります。

今回、案内いただいた城々、中毒患者にとっては最高の対処療法でした。あのようなごつい堀切、豪快そのもの。緊迫感、殺気を感じます。病気が酷くなるだけです。
まずは御礼まで。

あおれんじゃあ #- | URL | 2019/11/28 18:09 * edit *

Re: あおれんじゃあ様へ

こんばんわ。先日はお疲れ様でした!

師匠の、「俺は中世城郭の専門家にはなりたくない。アマチュアのままで奴らに挑戦し続ける!」

その言葉、自分にとっては衝撃的だったことを今も覚えています(笑) 「おお、その言葉に俺も乗ってみますか・・」

そんなかんなで始まった小生の信濃の山城探訪。宮坂先生のバイブルのほとんどは「ただひたすらに登る」としか・・(汗)
そりゃーそうだ、ひたすら登りました(笑)

「みんな信濃の山城が大好きなんだ!」

この十年、ブログを掲載し続けて良かったと思いました。師匠の励ましがあればこそですかね。

また刺激的な山城にお供しますので、ご病気の進行と悪化を心から願っております・・・(笑)

らんまる #- | URL | 2019/11/28 20:24 * edit *

今も昔も自分も城も。

こんにちわ、久太郎でございます。

先日告知の虚空蔵山城と麻績新城アテンド編ですね。
おおっ!これがあの!、という感じで改めて拝見させていただいております(現在進行形)。
写真のフレームに収まりきらない堀切ってどんなんだろう?、殺気をまとった堀切だって?どんなだろ?と興味深々。
これは行ってみるしか確認のしようがないですね。
・・ということで次回の信濃訪問は尾崎豊さんの「スクランブルロックンロール」(中信濃バージョン)を唄いながらここに登ろう!と気分を高めている自分です。(アホだな)

さてさて、同じ城への再訪問について。
個人的にはすでに美濃の城址は2周目、3周目といった感じで場所によっては二桁訪問回数のところもいくつかあります。高校生の時から回ってりゃそうなるわな、という感じですが、私もらんまるさん同様行く度に新たな発見があって旧友に逢う気持ちで訪ねます。

あの時はわからなかった虎口が見えて来たり、竪堀だと思っていたのが実は崩落痕なんだな・・とか感じたり、そしてそこから見る変わらぬ集落の風景。「経験が邪魔をする」(グローブ?)、なんて歌もありますが、観察する目がレベルアップしている自分も自覚しますね。(縄張り図は書き直しと書き足し、かき消し作業をしています)

山城探訪を始めた初心に戻れる、あの頃の自分と今の自分と向き合えるのです、大切なひとときではありませんか。

私はそんな「城道」を大切に城郭訪問を重ねていらっしゃるらんまるさんのお姿をこれからも美濃の地から応援していきたいと思っております。

久太郎 #- | URL | 2019/12/01 17:13 * edit *

Re: 久太郎様へ

久太郎さん、こんばんわん。

自称ネコ派ですが、そういう自己紹介をする奴の性格は100%忠犬ハチ公なので犬です。間違いない・・・(笑)

中信濃の山城の定番といえば復讐の狂気に燃える「小笠原貞慶」関連の林大城、小城、桐原城、山家城、埴原城なんかが筆頭ですが、信濃先方衆お薦めするのは「仁義なき戦い」が繰り広げられた青柳城、麻績古城、麻績新城のこの三つは必見で新定番。あとは安坂城を加えれば「貞慶VS景勝」は語れそうです(笑)

彼らは「ツッパリhigh school rock 'n' roll(登校編)by横浜銀蠅」の「♪ 麻績に着いたら、とっぽい貞ちゃんと ガンのくれあい、飛ばし合い ♪」って感じで天正壬午の乱が終わっても秀吉の小田原征伐まで犬猿の仲でした・・(汗)
そんな親方を持った部下は悲惨ですよね。あたしゃ真っ先に他の奉公先を探します・・命がいくつあっても足りませぬ・・(笑)

まあ、何度も同じ山城に通い続けると幾多の発見もあれば、破壊という残念な結果に時々遭遇することもあります。
なので破壊を未然に防ぐ城の「守り人」としての役割も果たせるような気がしています。

なので久太郎さんのマラソンチャレンジを今後とも応援したいと思います・・・(?)

らんまる #- | URL | 2019/12/01 23:40 * edit *
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